このページの要点は?
✓ 勉強しようと思ってもイライラが止まらないのは、脳内で神経のネットワークを電気的な刺激が、いつまでも回り続けるためです!
✓ ドリルのような少し難易度を落とした計算問題を、速く正確に解く勉強を行うと、脳のワーキングメモリーがそのことに占有されるため、イライラのネットワークが遮断されます!
✓ 計算ドリルを行うのは、脳の集中力の性質から、1回あたり5分から15分が理想で、長い時間、行うと逆効果になります!
東京大学本郷キャンパス赤門正面 本郷赤門前クリニック
受験は誰もが合格を保証されているものではなく、受験生は入試の結果に対して、大なり小なり不安を抱えているはずです。
もちろん、意識はしていないという人もいるでしょうが、それでも、心の奥底にある深層心理では、不安がうごめいているはずです。
それが、イライラという形で、表面に吹き出してくるのです。
そのようなとき、脳をリセットするのに、大きな力を発揮してくれるのが、計算ドリルを解くということです。
といっても、一桁の足し算をすればいいということではありません。
若い受験生が、お年寄りの脳トレをやっても、まったく意味はないので、誤解しないでください。
現在の学力で、ほぼほぼ解けるくらいの、「少し簡単かな?」というレベルの計算問題を解くのがベストなのです。
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たとえば、大学受験だったら、微分積分でも三角関数でも何でもいいので、①解き方はわかる、②でも、速く解こうとすると計算間違いをしてしまう・・・というレベルの問題を選びましょう。
それを、速く正確に解こうとすると、その瞬間だけは、コロナうつの状態であっても、集中力が高まります。
イライラしたとき、実は、脳の中では、同じ神経細胞のネットワークの中で、インパルスと呼ばれる電気的な刺激が、グルグル回っていることがわかっています。
これが、計算ドリルを解く瞬間に集中力が高まる作用で、断ち切ることができるのです。
なぜ、そのような現象が起きるのか、具体的には、どのような解き方をしたら、より効果的にイライラを解消できるのか、ご紹介しましょう。
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コロナうつによるイライラが止まらない場合、脳の中では、同じ神経細胞のネットワークを、インパルスがいつまでもグルグルと回り続けるという現象が起きています。
神経細胞は、シナプスと呼ばれる部分で他の神経細胞と接続しており、電気的な刺激をバトンタッチしています。
ごく簡単にモデル化すると、
神経細胞Aが興奮 ⇒ 神経細胞Bが興奮 ⇒ 神経細胞Cが興奮 ⇒・・・
といった具合です。
ところが、これがループになっていると、
神経細胞Aが興奮 ⇒ 神経細胞Bが興奮 ⇒ 神経細胞Cが興奮 ⇒ 神経細胞Aが興奮 ⇒ 神経細胞Bが興奮 ⇒ 神経細胞Cが興奮 ⇒・・・
こうして、イライラが止まらなくなってしまうのです。
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このイライラのループを遮断するのに、最も効果的な勉強法が、計算ドリルです。
脳の中でワーキングメモリーと呼ばれる機能は、計算ドリルを解くことに集中するので、イライラのループを回すことが、物理的にできなくなります。
言い換えると、脳の構造上、イライラし続けることが、そもそも、できなくなるわけです。
だから、イライラは、少なくともその瞬間は、かなり強力に抑えられます。
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イライラを抑える効果を高めるには、意識のフォーカスを、目の前の作業に固定することが必要です。
あれこれと、自由に物事を考えていると、「コロナが不安だ・・・」、「受験も失敗するかも・・・」など、ついついネガティブなことを考えてしまい、イライラが逆に強まってしまいます。
これは、脳内のワーキングメモリーに余裕が生じるため、ワーキングメモリーをネガティブなことを考えることに費やすからです。
実は、様々なタイプの受験勉強の中で、脳科学的に、最も意識のフォーカスを固定しやすいのが計算ドリルなのです。
さらに、ご自分でも、より意識的に、目の前の計算問題を解くことに集中すれば、イライラを抑える効果が、さらにパワーアップしてくれます。
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一方、計算ドリルの対局にある勉強が、難解な応用問題に挑戦することです。
もちろん、最近の入試では、応用問題が重視されており、こちらも、しっかり勉強しておきたいものです。
ただし、コロナうつでイライラしているときだけは、注意してください。
応用問題は、ワーキングメモリーを自分の意志で、上手に使いこなさなければ解けません。
しかし、イライラしていると、意志が弱っているので、ワーキングメモリーをネガティブなことを考えることに振り向けられてしまいます。
そうすると、イライラが強まるとともに、もう一つ、受験生にとって、怖い現象が起こります。
それは、応用問題を解こうとしたらイライラするという学習をしてしまい、脳内で条件反射が起きてしまうのです。
これでは、長い目で見たら、努力して学力を下げているという、とっても無駄なことをしていることになるわけです。
もちろん、気持ちよく応用問題が解けているのなら、ドンドンやったらいいですが、イライラしたときに無理にやろうとするのは、とても危険な行為です。
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計算ドリルを行う理想的な時間は、5分から15分です。
いくらイライラを抑える効果があるといっても、それ以上、やり続けると、逆効果です。
なぜかというと、脳の機能上、本当の意味で集中できるのは、15分以内だからです。
それ以上、やろうとすると、脳が疲労し、これによって逆にイライラしやすい脳になってしまいます。
また、長い間、問題を解こうとすると、脳は、無意識のうちに、意識のフォーカスを緩め、ワーキングメモリーを総動員しなくなります。
その結果、イライラのループが回る余地を作ってしまうのです。
逆に、できるだけ短い時間、思いっきり集中してドリルを解くようにすると、イライラのループは確実に遮断されます。
こうしてイライラが消えてくれたら、普通の勉強をしていただいて結構です。
そして、また、イライラしてきたら、5分から15分、計算ドリルを解くようにするのです。
この繰り返して、受験生のコロナうつは、乗り越えていきましょう。
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単なる一時的な現象である「うつ気分」の場合は、計算ドリルを行うだけでも、かなりの方が回復しています。
ただし、治療の必要な「受験うつ」の場合は、これだけでは、解決しません。
また、短期間のうちに大きな効果を上げたい方も、メンタル医学と脳科学を応用した専門の治療が必要です。
ぜひ、磁気刺激治療(受験うつ)早期合格コースを受けていただくことを強くおすすめします。
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