新型うつ

Dysthymic disorder


ここ数年、従来からの「うつ病」とまったく違うタイプの「新型うつ」が、若い世代を中心に急増しています。

特に東大や医学部などを受験する、いわゆるエリートと呼ばれる受験生に多いのが特徴です。

当院に限っていえば、「うつ症状」で受診する患者さんの過半数が「新型うつ」です。

さらに、本人もご家族も、「新型うつ」であることに気づかず、治療が遅れることも少なくありません。

 

従来からの「うつ病」は、何か問題が生じると、「私が悪い・・・」、「私はダメな人間だ・・・」と自分を責め、ふさぎ込みます。

つまり、自責的に落ち込むわけです。

 

これに対し、「新型うつ」の場合は、まったく逆の言動をみせるのが特徴です。

何か不都合なことがあると、「親が悪い・・・」、「先生が悪い・・・」、「友達が悪い・・・」といった具合に、他人のせいにします。

こうしてはじめは怒りをぶつけるのですが、次第に「周囲がバカだから、自分は理解されない・・・」と、他責的に落ち込んでいきます。

こうして「うつ症状」に移行していくのです。

 

「新型うつ」に陥ると、本人はもとより、親子関係にヒビが入るため、家族全体が疲弊してしまいます。

もちろん、根本的に治療しない限り、合格を勝ち取ることも不可能です。

 


「新型うつ」を生み出す「自己愛」の暴走


最近の研究で、「新型うつ」の原因は、自己愛の暴走にあることがわかってきました。

自己愛は、誰でも持っているものです。

しかし、これが過剰に膨れ上がり、現実との間で折り合いを付けられなくなると、「自己愛性パーソナリティー障害」を起こします。

これが、「新型うつ」の原因となるのです。

 

自己愛が暴走すると、無意識のうちに「自分はこの社会の中で特別の存在だ・・・」、「自分だけは特別扱いされて当然なのだ・・・」と思い込んでしまいます。

これだけ聞くと、なんだか悪い人のように思うかもしれませんが、本人に悪意はありません。

膨れ上がった自己愛が、そう思い込ませているのです。

 

だから、周囲から見ると自分勝手に思えても、本人はとても深い悩みに苦しんでいます。

極限まで膨張した自尊心・・・。

しかし、実際には、それにはるかに及ばない現実・・・。

そのギャップに耐えかねて、時として自殺を図ることさえあります。

 

また、膨れ上がった自尊心と現実とのギャップを埋めるため、実力以上に偏差値の高い大学を志望校に選ぶことも特徴的です。

しかし、現実と向き合うことができないため、地道に受験勉強を続けることができません。

 

東大に入って官僚になり、日本を変えたい・・・。

医学部の入って、心臓外科医になり、患者の命を救いたい・・・。

こうした目的があるからこそ、厳しい受験勉強に励めます。

 

しかし、自己愛性パーソナリティー障害の方は、東大に入りたいわけでもなければ、医者になりたいわけでもありません。

自分にふさわしい東大に入らないなんて、ありえない・・・。

医学部以外に入学する自分なんて、あってはいけない・・・。

こうして、自分で自分を追い詰めてしまいます。

 


「新型うつ」の治療


近年、SSRISNRIに代表されるように、抗うつ薬は非常によくなりました。

しかし、「新型うつ」については、抗うつ薬の効果は、かなり限定的です。

 

なぜなら、SSRIもSNRIも、脳の神経御細胞にあるシナプスで、セロトニンやノルアドレナリンを見かけ上、増やす働きをすることで、うつ病を治療する薬です。

ところが、「新型うつ」の場合は、脳のシナプスに異常があるわけでなく、自己愛が膨張することによる認知の歪みに根本的な原因があります。

SSRIやSNRIが効きにくいというのは、理屈を考えれば当然のことです。

 

「新型うつ」の場合は、カウンセリングを行い、認知の歪みを1つひとつ正していく治療がかなり有効です。

当院では、既存の認知行動療法をさらに発展させ、「新型うつ」を治療する特別プログラムを開発しました。

症状にもよりますが、半年ほどで通常の受験勉強ができるレベルに回復するケースが主流です。

 


「新型うつ」の特別プログラム


このプログラムの最大の特徴は、自己愛を否定しないことにあります。

志望校に合格するためにも、社会に出てから成功を手にするためにも、膨張した自己愛は、うまく制御さえすれば、むしろ大きな力を与えてくれるからです

 

実際、東大や医学部の合格者の中には、肥大化した自己愛を抱えた人が多いということは、受験関係者の間では、以前からよく知られていたことです。

また、政界や財界で活躍するVIPたちも、自己愛が強い方が少なくありません。

 

当院ではこうした事実を踏まえ、新型うつ病の受験生に対しては、認知行動療法などを応用し、暴走した自己愛を受験勉強へのモチベーションに切り替えていきます。

これにより、焦燥感が緩和されるため、「新型うつ」の症状が軽快します。

さらに、勉強に対する適切な動機が形成されるため、成績の向上が期待できます。

 


コラム「自己愛で身を滅ぼす人…成功する人…」


私の著書の中から、自己愛についてのコラムをご紹介します。

受験生が自己愛と向き合っていく上で、参考になると思います。

 

 

 

タイトル:「20代リアル処世術」

著者:吉田たかよし

出版社:PHP研究所

定価:1000円(税別)

 



現在の20代の方にみられる心理面の特徴について、多くの心療内科医や精神科医が指摘していることがあります。

それは、自己愛がとても強い人が多いということです。


自己愛とは、簡単に言うと、関心や注意が自分自身だけに向かうことです。

自分自身が特別な存在だと考え、他人のことには興味を感じられず、周囲の人を自分に何をしてくれるのかという基準だけで見てしまいます。


こうした自己愛が暴走すると、自分の自尊心を守ることに執着するあまり、他人を必要以上に攻撃してしまいがちです。

また、無意識のうちに周りの人を見下してしまうので、心を許しあえる友人ができません。

 

自己愛の暴走は、病気につながる場合があることも分かっています。



吉田隆嘉

「受験生に対するカウンセリング」、または「親子に対するカウンセリング」が基本ですが、

ご希望により「親のみのカウンセリング」も行っています。


 

 

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