受験生の高望みとスマホ脳  親が取り組むべき対策とは?

受験生の高望みとスマホ脳

親が取り組むべき対策とは?

 


 

 

 

志望校は高望みの超難関校

なのに努力はしない受験生

 

 

私が受験生専門の心療内科クリニックを設立した20年前から、心療内科のカウンセリングや問診を通して、受験生たちの挑戦と苦悩を数多く見てきました。

その経験の中で、ここ数年、ある受験生たちの特異な傾向が急激に増えてきていることに気づきました。

 

その傾向とは、模試の成績がE判定にもかかわらず、超難関大学の東大や早慶上智のみを志望するという、現状にそぐわない、高い目標を設定していることです。

驚くのは、これらの学生は一生懸命に勉強するどころか、スマホに夢中になっていることが多いのです。

 

 

勉強はせず、

スマホ依存の受験生活

 

もちろん、過去にも高望みをする受験生自体はたくさんいました。

そして、その中には、厳しい努力を重ねて実際に東大などの難関大学に進学することができた受験生も、少なからずいました。

 

一方、学習意欲が低く、ゲームや漫画に時間を費やす受験生も、やはり昔からいました。

 

しかし、最近の受験生の中には、志望校についてはとても偏差値の高い超難関校への合格という目標を持ちながらも、いざとなったら勉強はせず、スマホに依存する傾向があることが確認されています。

そして、この傾向は、私の受験生だった時代と比べて間違いなく顕著に増加しています。

 

 

10年以上も東大を受け続ける受験生

はたして、その未来は・・・?

 

一例として、東大を14年間受験し続けた浪人生や、11年間受け続けた浪人生も、私が実際に診察した心療内科の外来患者さんの中にいました。

いずれも長期間の浪人生活から抜け出せず、今後の人生の展望が見い出せず苦悩されていました。

ですが、やはり翌年も東大だけに絞って受験すると話されていました。

 

もちろん、現状の学力に挫けず、高いこころざしを持って難関大学を目指すこと自体は称賛に値します。

私自身、A判定の受験生を確実に合格させるのも大切なミッションですが、本音を言えば、E判定の受験生を最新の脳医学とメンタル医学を駆使して合格に導くことこそが、受験生を専門に診療する私の心療内科医としての誇りです。

 

 

志望校の高望みは大歓迎!

されど、努力は必要!

 

ですから、高望みの受験生は大歓迎です。

ただし、磁気刺激治療をやれば、それだけで超難関校に合格するというわけではなく、受験生にも努力をしてもらう必要があります。

 

さらに、10年以上も浪人を繰り返すと、たとえ東大に合格しても卒業後にエリートとしての人生を送るのは困難になります。

このような長期浪人の沼から受験生を守るために、親御さんが積極的に手を差し伸べ、適切なケアをしてあげることが重要となります。

 

 

 

 

受験生の深層心理

原因は自己愛の膨張とスマホ依存

 

 

模試の結果がE判定であるにもかかわらず、最難関大学の東京大学や早稲田大学、慶応大学、上智大学を目指す・・。

だけど、それに見合った勉強はしない・・・。

その行動の根源にある原因は、極度の自己愛とスマホ依存が化学反応を起こすことにあります。

 

実際、専門的な検査を行ってデータを分析したり、カウンセリングをして深層心理を読み解くと、こうした原因が浮き彫りになってきます。

 

 

 

 

 

 

スマホ依存がもたらす脳の変調

本当の危険は自己愛の暴走にある

 

受験生も受験生の親御様も、スマホの過度な使用がもたらす問題点として、勉強時間を減らしてしまうということに目が向きがちです。

しかし、心療内科の医者から見れば、本当に危険な問題はこうしたことではありません。

 

知っておいていただきたいのは、スマホへの依存によって自己愛が過度に膨張しているという事実です。

ただし、注意していただきたいのは、「自己愛」がよく誤解される概念だということです。

「自己愛」を言葉通りの意味に受け取ってしまうと、誤った認識になってしまうからです。

 

 

自己愛と自己肯定感

似て非なる概念

 

「自己愛」という語は、しばしば「自分自身を深く愛し、尊重する」という意味と受け取られがちです。

しかし、実際にはこのような意味合いは「自己肯定感」という概念により近いものです。

自己肯定感と自己愛は、似ているように見えますが、心理学的・医学的な視点ではは全く異なるものです。

 

「自己肯定感」は健全な自信をもたらすことで、勉強に意欲的に取り組むことができます。

だから、受験にもとても大切なものです。

 

一方、「自己愛」は、受験勉強の妨げになることが多いので、注意が必要です。

なぜなら、「自己愛」は自分が特別な存在で、努力しなくても素晴らしい評価を受けて当然の人物だという根拠のない確信に基づくものだからです。

 

 

自己愛の暴走

受験勉強に及ぼす弊害とは?

 

膨張した自己愛が受験生にどのような影響を及ぼすのか?

受験生は、自分が東大や早慶上智に受かるのが当然であるという感覚を持つようになります。

しかも、努力をして合格するのではなく、努力なしに合格できるという、特権階級であることを無邪気に望むのです。

だから、結果として、必要な勉強を行うことを心理的に拒絶する傾向があります。

このように、心の奥底で自分が努力なしに成功するべき人物だと無邪気に信じこむ深層心理の罠にとらわれることで、受験に失敗する人が、最近、特に増加してきているのです。

 

 

高望みとスマホ依存の矛盾

自己愛性パーソナリティー障害

 

この矛盾した信念に心が支配されると、彼らは高望みをする一方で、必要な努力をせずにスマホを見続けるという行動をとってしまいます。

こうして無意識のうちに現実を逃避することで、貴重な月日が流れていくのです。

 

だたし、こうした深層心理の罠が危険なのは、これだけではありません。

このような自己愛が極度になると、「自己愛性パーソナリティ障害」というメンタルの病気になることがあります。

多くの受験生がこの病気まで至ることはありませんが、その病気の前段階にあることは間違いありません。

 

 

自己愛の膨張をもたらす原因

スマホが脳に与える快感の落とし穴

 

この自己愛の膨張を引き起こしている要因はいろいろ指摘されていますが、ここ数年で、最大の要因として浮上してきたのがスマホが脳に与える影響です。

スマホは、自己愛にとらわれた受験生にとって現実逃避の手段に使われていますが、弊害はそれだけではありません。

スマホを長時間使用すること自体が、脳に偏った刺激を与え、それによって、自己愛の膨張を招いているのです。

 

 

スマホが脳に与える快感

ドーパミンが脳に与える影響とは?

 

 

スマホは、私たちの脳に継続的に快感を与えることができるツールです。

その結果、現代の若者は自分自身の心と対話し、時には反省して努力しようと心に誓うといった時間を持つ機会が決定的に不足してきてしまいました。

 

さらに、要因として決定的なのは、スマホを通じて簡単に心を満たす体験を得ることができるるということです。

スマホの操作は、ただ指でクリックするだけ。

たったそれだけのことで、脳に心地よいコンテンツが表示され、脳内に快感ホルモンのドーパミンが分泌されます。

 

 

デジタルドーパミンが脳を劣化

自己愛を膨張させる真犯人

 

ドーパミンは、本来、大きな成果を得られたときに脳内で分泌される快感物質です。

実際は、頑張って勉強してよい点数が取れたときの快感のように、かなりの努力をして頑張らないと、ドーパミンの快感は得られません。

 

ところが、スマホだと、指先の動作だけで、簡単にドーパミンが得られてしまいます。

これが、デジタルドーパミンと呼ばれているもので、こうした習慣が恒常化すると、脳は努力をしなくても快感が得られて当たり前だと錯覚してしまいます。

その結果、自己愛が暴走するようになるのです。

志望校は超難関校であっても、勉強はしないという、一見、奇異に感じる行動をとる受験生が増えてきたのは、その延長上にある現象だったわけです。

 

 

 

 

まずは親子の対話が必要

子どもを非難せず理解しよう

 

スマホと自己愛の化学反応がいかに危険なものなのか、ご理解いただけましたでしょうか。

ここからは、親御様に必要な対策についてのご紹介です。

 

あなたのお子さんが常にスマホを見ていて、それでも高望みを続けているとき、叱りつけることを考えるかもしれません。

しかし、これは避けるべきです。

 

心療内科医として、私はこうしたスマホと自己愛の心理の罠に囚われて、時代の産物、つまり被害者と見ています。

その上で、問題を非難するのではなく、理解し対話することが何よりも重要だと言いたいのです。

 

 

自己愛が膨張している脳

叱りつけると逆効果

 

そもそも、自己愛が膨張している脳に対して、叱りつけることで解決するということは、何もありません。

子どもを責め立てると、彼らはさらに自己愛の殻に閉じこもり、自己愛性パーソナリティ障害の発症を加速させるだけです。

さらには「受験うつ」になる可能性もあります。

 

高望みをしていても勉強しない子どもを否定する必要はありませんが、その心理を理解し対話することは必要です。そのためには、お子さんとの深い会話が必須となります。

 

 

最適な対話の時間は

土曜日の昼食後

 

高望みをする受験生と話し合う最適な時間帯は、土曜日の昼食後がベストの時間帯です。

なぜなら、この時間帯が、親子ともに、脳が対話をするのに、とても望ましい状態になっているからです。

 

通常、親子が話し合うのに最適な時間は夕食後とされています。

この時間帯は、副交感神経が優位になり、親子ともにリラックスした精神状態で会話できるからです。

 

しかし、高望みをしながら勉強しない受験生の場合、副交感神経の活動と連動して、自己愛も夕方から高まる傾向があります。

これは、志望校への高望みがさらに強まる可能性があります。

だから土曜日の昼食後が話し合いに最適な時間とされています。

 

 

客観的な説明と図示

受験生を理解へ導く

 

自己愛が膨張している脳は、理解能力が低下しているわけではありません。

あくまでも、勉強しない原因はメンタルの問題です。

したがって、模擬テストの結果を提示しながら、現状を客観的に指摘することで、受験生は理解してくれます。

 

親として重要なのは、主観的な意見を控えることです。

精神論を強調し、「このままでは人間として駄目だ」というような発言をすると、受験生の脳は主観的なモードに切り替わります。

その結果、自己愛を基にした判断に偏るわけです。

これでは何の解決にも繋がりません。

 

人間の脳は、図を見ることで、より客観的に理解するように、認識のスイッチを切り替えます。

この脳の性質を活用し、現状を図解して説明すると効果的なのです。

ただし、一方的に親の見解を図示するだけではなく、子どもの主張も図示し、その矛盾や問題点を自身で認識できるようにすることが重要です。

 

 

夢を否定せず、正しい取り組みを促す

脳医学が実現する難関校合格

 

受験生が高望みをしつつ勉強しない問題に対しては、まず、勉強しないという部分を先に改善することが第一の選択肢です。

その高望みを否定してしまうと、スマホ依存だけが残ってしまう可能性があります。

 

私のクリニックでは、脳医学とメンタル医学の両方を用いて、このような受験生を合格に導くために、早期合格コースという診療プログラムを提供しています。

これは、現状より偏差値の高い志望校への合格を実現するためのもので、偏差値の低い大学を押し付けるということは絶対にありません。

 

現状の成績に見合った大学に合格するのは当然であり、私のクリニックの主なミッションは、現状では合格が難しい大学に受験生を逆転合格させることです。

 

 

ただし、そのためには脳科学に基づいた適切な努力が必要です。

受験生は、現実を直視し、偏差値の高い大学に合格するための覚悟を持つ必要があります。

その覚悟があれば、磁気刺激とCBT治療の効果が最大化し、多くの方が本来の学力よりも2段階以上偏差値の高い大学に合格できています。

 

ベストを尽くして高い目標に挑むことは非常に重要です。

大切なのは、浪人の負のスパイラルに陥る前に、適切な対策をとることです。

ぜひ、下記のフォームから、お気軽にご案内メールを請求してください。

 

 


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