光文社新書「受験うつ」より
・・・大学入試のセンター試験は2日間の日程で行なわれますが、1日目が終わったところで多くの受験生が自己採点をします。
しかし、これは絶対にやってはいけないことです。
毎年、自殺を図る受験生がいるので、センター試験の初日だけは、私も徹夜で対応しています。
自己採点をして結果が思わしくないと二日目の試験を受けるのが嫌になり、放棄する理由を作るため自殺を図るケースが大半です。
私の患者に限れば今まで命を落とした人はいないのですが、本気で死ぬつもりがなくても、事故を誘発して死亡するかもしれません。
また、自己採点の結果、たとえ良い点数であっても、浮かれてしまって二日目に好ましい影響は出ません。
どちらに転んでも、初日の自己採点はマイナスにしか作用しないのです。
とはいえ、2日間の試験が終わった後には、普段の模擬テストと同じように、自己採点はもちろんのこと、しっかり復習してください。
その最も理想的な方法を解説しましょう。
本番の試験で正解できないと、本当に悔しい・・・。
その気持が脳の海馬に作用するため、忘れようと思っても忘れないくらい、記憶が定着します。
しかも、今シーズンの入試問題はすでに作成されているので、この後の2次試験や私大入試に同じ問題が出る確率が高いのです。
そこで、最も完璧な復習の仕方は・・・
光文社新書「受験うつ」より抜粋
終わった試験の結果が気になって、次の試験に集中できない・・・。
これは、学力があるのに不合格になってしまう受験生に典型的に見られる症状です。
脳の奥にある「扁桃体」と「帯状回前部」という部分が暴走し、こうした観念を増幅させます。
入試にとって深刻なのは、これによって問題を解くための中枢、背外側前頭前野の機能が低下してしまうことです。
特に、長文の読解力と、応用問題を解く創造力が深刻な障害を受けます。
これは、「受験うつ」の一つのタイプです。
決して、ふさぎ込む人だけが「受験うつ」ではないので、誤解しないでください。
思い当たる方は、こちらの動画も参考にしてください。
「受験うつ どう克服し、合格をつかむか」
光文社新書
吉田たかよし 待望の新刊本!
12月16日、発売決定!
<目次>
第1章 増える受験うつ
第2章「受験うつ」のメカニズム
第3章 受験うつは答案用紙に表れる
第4章 間違いだらけの治療法
第5章 親のひと言が子どもを受験うつにする
第6章 うつにならない勉強法
第7章 親のコーチングで結果は出せる
<内容紹介>
未成年のうつ病、しかも、ストレスが増える受験期に突然発症する人が急増している。
子どもと大人では症状が大きく異なるため、親も受験生本人も発症に気が付かない
ケースが多いのが実情である。
中学受験ではもちろんのこと、高校受験や大学受験で頻発しており、受験生専門外来の
私のクリニックにも、勉強が手につかなくなった多くの受験生が来院している。
受験期のうつで人生を狂わさないために、受験生本人が、家族ができることは何か?
また、脳機能から考えたストレス管理や効率の良い勉強法もまとめた、
うつ病の有無を問わず受験を控えたすべての方に必見の書。