このページの要点は?
✓ 思考力の低下は、「受験うつ」のごく初期の段階から見られる症状です。
✓ 典型例は、英語や国語の課題文を読むときに、表面だけをなぞるように読み、本質が読み取れなくなることです。
✓ 数学の場合は、それらしく感じられる無意味な計算をするだけで正解にたどり着けないケースが代表例です。
✓ これは「思考の上滑り現象」と呼ばれ、脳内にある扁桃体の過剰な反応と背外側前頭前野の機能不全が結びついて生じます。
✓ 「思考の上滑り現象」は、合格したい気持ちが高まる入試の本試験でマックスとなります。
✓ 事前に対策を施しておくと、「思考の上滑り現象」は大幅に抑えられ、志望校への合格を果たせます。
思考力の低下は、「受験うつ」(受験生に生じる、うつ症状)のごく初期の段階から見られる症状です。
その中でも、特に「思考の上滑り」と呼ばれる現象が起きるのが、「受験うつ」の特徴です。
模擬テストを受けて、応用問題が解けない・・・、長文が読み取れない・・・、問題の意図が汲み取れず失点した・・・といったことが起きた場合、「思考の上滑り」が起きていると考えられます。
にもかかわらず、単なるスランプや学力の低下のために問題が解けなかったのだろうと思い込み、「受験うつ」を見落としてしまう受験生が多くいます。
これが、受験の失敗と浪人を繰り返す原因となっています。
「思考の上滑り」という現象が、なぜ起きるのか、脳医学の正しい知識を知った上で、適切な対処を施し、あこがれの第一志望の大学への合格を勝ち取りましょう!
「思考の上滑り」とは、どういう現象かというと・・・、
多いのが、英語や国語の長文の課題文を読んでいるときに、表面的なことだけで解釈しようとしてしまうということです。
課題文に出ているキーワードを適当につなぎ合わせるだけでも、それっぽい解釈を作り上げることはできますね。
こういうことは学力が低ければ誰にでも起きますが、これが病的に増加すると、「思考の上滑り」だといえます。
特徴は、心の奥底では、著者はきっともっと深いことを意味して書いているのだろうなと気づいていることです。
でも、先に進みたいという衝動に負け、表面的な意味だけで済ましてしまう。
これが「受験うつ」のSOSサインかもしれない危険な「思考の上滑り」の典型的なパターンなのです。
数学でも思考の上滑りはあります。
典型的なのは、問題文に書かれている数字を、ただ足したり引いたりして、それらしい計算をするわけです。
でも、心の奥底では、
数学の本質とは違うなぁ・・・。
こんな足し算引き算をするだけではなく、公式を使い現象の本質につながるようなことが問題になっているんだろうなぁ・・・。
このように、心の奥底では間違いに気が付いているのです。
だけれども、そこに正面から向き合うのではなく、単純に足し引きしてそれらしい解答を出すわけです。
もちろん、これでは不正解です。
不正解だと解っていても、先に進みたいという脳内で生じる衝動に負けてしまって、こういう解答で済ませてしまうことになるのです。
もちろん、それらしい答えを出すのだけれども、結局間違っているので、模擬テストの点数は、壊滅的に悪化してしまいます。
これが「思考の上滑り」という現象で、すでに「受験うつ」に陥っている場合もありますし、その一歩手前の状態になっている場合もあります。
「受験うつ」になると、なぜ、「思考の上滑り現象」が起きるのか、その理由が、脳科学の研究で明らかになりました。
「受験うつ」になると、脳内にある扁桃体の過剰な反応と、背外側前頭前野の機能不全という2つの部分の異常が、ほぼ全例で起きます。
この2つの異常が受験生の脳内で化学反応を起こすと、「思考の上滑り現象」が生じるのです。
英語や国語の課題文を読み取るには、背外側前頭前野が中心になって生み出すワーキングメモリーという機能が必要です。
しかし、「受験うつ」になると、この機能が低下するため、より、ねばり強く集中を維持する必要があります。
ところが、扁桃体の暴走も起きていると、こうした苦痛なしに問題が解けないと我慢できないという衝動が生まれます。
こうして、脳内の2つの異常が化学反応を起こし、無意識のうちに「もういいや!表面的なことでもなんでも、自分の思い通りにならない現実なんて受け入れられない」といった心理に陥ってしまいます。
これが、「思考の上滑り現象」なのです。
数学の応用問題が解けなくなるのも、本質的には同じです。
困るのは、「思考の上滑り現象」が最も起こりやすいのが、入試本番の試験会場だということです。
本番の試験の場合は、なんとしても良い点数をとりたいという思いは、どなたも非常に強いですね。
こうした欲望を中心になって生み出している中枢が、他ならぬ扁桃体なのです。
また、受験生なら、どなたも必死で頭を使おうとするので、ワーキングメモリーも限界まで使用するため、背外側前頭前野の疲労は頂点に達します。
だから、扁桃体の暴走と背外側前頭前野の機能不全は、ともに本試験で起きやすい条件がそろってしまい、これが深刻な「思考の上滑り現象」を起こしてしまうわけです。
これにより、確かに答案用紙は埋まりますが、それはゴマカシです。
自分をごまかしているだけで、採点者をごまかすことは出来ません。
結果として壊滅的な点数になり、不合格となるのは言うまでもありません。
「思考の上滑り現象」は、「受験うつ」を診断する大事なチェックポイントになっています。
もちろん、「受験うつ」に陥っている場合は、その治療こそが、合格への最大の処方箋です。
ただし、仮に病的な「受験うつ」には至っていなくても、「思考の上滑り」をしてしまっている受験生は、「受験うつ」の前段階として、「受験うつ」の治療と同じことを行えば、脳の状態が改善し、成績のアップにつながるという現実があります。
実際、私のクリニックでは、こうした取り組みによって、毎年、多くの方を、第一志望や、場合によっては、それ以上の大学へ合格させることに成功しています。
完全に「受験うつ」になっている方も、その前段階の方も、本郷赤門前クリニックの早期合格コースで、あこがれの第一志望の学校への合格を万全のものとしましょう!