このページの要点は?
・「セルフチェック8項目」で、勉強中の倦怠感(ダルさ)の原因を見極められます!
・受験ストレスが、身体や脳に倦怠感をもたらす原因になっている場合が多いので注意しましょう!
・倦怠感(ダルさ)は脳のSOSサインなので、見落としてはいけません!
・倦怠感が重い場合は、専門の検査と治療が合格を勝ち取るために不可欠です!
「ダルいから、ボクは勉強しない!」などというと、親も先生も怒り出すでしょう。
勉強を怠けているからだと思うからです。
でも、ちょっと待って下さい!
私は受験生を専門にケアする心療内科医として、警告します。
受験ストレスや受験うつが原因となって、身体や脳に倦怠感をもたらす場合がとても多いのです。
倦怠感というと、心身の症状として認識してもらえますが、受験生のような若い世代では、「ダルい」
という言葉で表す人が大半です。
これが、怠けているという誤解を生み、受験ストレスや受験うつの見落としにつながっているのです。
適度なストレスであれば、脳は、むしろ活発に働くことができます。
しかし、乗り越えられる限界を超えてストレスが大きくなると、脳に深刻なダメージが加わってしまいます。
こうした状態を放置して受験勉強を続けると、脳機能がドンドン悪化し、やがて大うつ病性障害や気分変調性障害など、脳の病気に移行しかねません。
そこで、脳は、自らを守るため、無意識のうちに、それ以上のストレスを防止しようとします。
その手段が倦怠感、つまり、ダルくて勉強するのが嫌になる感覚を生み出すということです。
倦怠感が生じれば、脳内の意欲の中枢が機能低下を起こすので、勉強をやめたくなります。
これが脳の仕組んだ目的です。
こうして脳を休ませることで、さらなる受験ストレスの弊害を防止しようとしているわけです。
ですから、受験ストレスによる倦怠感は、単なるサボりとはまったく異なるものです。
いわば、脳からのSOSサインなのです。
決して見落としてはいけません。
もちろん、ダルいと感じる原因が、単なる勉強からの逃避 、つまりサボりたいだけだという場合もあります。
ストレスが招く倦怠感(ダルさ)なのかどうか、単なるサボリなのか、しっかり見極める必要がありますね。
まずは、次の8つのセルフチェック項目うち、該当する項目はないか、ご自分で検討してみてください。
1.勉強中の倦怠感が2週間以上続いている。
2.背中や肩が凝っている。
3.かすかな音も気になる。
4.勉強中に過去の嫌な記憶がよみがえる。
5.食事が美味しく感じられない。
6.親から話しかけられるとイライラする。
7.夜に、なかなか寝付けない。
8.朝は、なかなか起きられない。
次の8項目のうち、該当する項目が一つもなければ、受験ストレスの可能性は低いと考えられます。
ダルいのは、勉強をサボりたいという気持ちが生んだ気分の問題かもしれません。
逆に、2項目以上を満たせば、ストレス性の倦怠感である危険があります。
ただちに脳の状態や勉強の方法について、再検討が必要です。
1項目が該当する人は、グレーゾーンだと思ってください。
とくに、重度の受験ストレスの場合は、受験期のうつ症状である「受験うつ」に移行している危険性があります。
このケースでは、とにかく早く治療を開始しないと、合格は勝ち取れず、一生を台無しにしてしまいます。
私のクリニックでは、最新の磁気刺激治療を組み合わせた「受験うつ早期合格コース」を設けています。
志望校への合格のため、ぜひ、ご検討ください。