受験生は注意!
夏休みの勉強マンネリ化とは?
その対策を脳科学の視点から解説
✓ 夏休みの長い自由時間は、驚くほど学習効率を下げる要因となることがあります。それが勉強のマンネリ化現象です。
✓ 勉強のマンネリ化現象がどのように脳内で起こり、どのような影響を及ぼすのか、心療内科医が脳科学の視点から具体的に解説します。
✓ 勉強の計画をほんの少し工夫することで、勉強のマンネリ化現象を乗り越えることができます。夏休みに成績のアップを実現するための脳医学に基づく適切な対策をご紹介します。
東京大学本郷キャンパス赤門正面
本郷赤門前クリニック
毎年、夏休みに入ると、多くの受験生が勉強のマンネリ化現象を起こし、それによって成績が低下してしまします。
中には受験生自身も勉強のマンネリ感を強く自覚されていて、「このままでは、第一志望の大学に合格できない・・・」という危機感を持ち、受験生専門の私の心療内科を受診する人も増えてきます。
また、クリニックにご来院くだされた受験生の全体の中でも、特にマンネリ感を自覚していないという人も含め、脳の働き方を検査すると、慢性的に勉強のマンネリ化が起きていることを示す検査データが出る場合がかなり多くなっているのです。
夏休みは、受験勉強のマンネリ化の問題を抱える受験生が急増する時期だということを、ぜひ、頭に入れておいていただきたいのです。
では、脳科学的観点から、このマンネリ化が一体何を意味するのか、そして、どう対策すべきかを見ていきましょう。
まず、マンネリ化とは具体的には、勉強に対するワクワク、ドキドキ感が失われることを指します。
これは脳の扁桃体が活動する力を失い、ポジティブな感情が起きにくくなることに起因します。
さらに進行すると、集中力が低下し、勉強時間がダラダラと流れるようになります。
結果として、受験勉強が進まない状態に陥ります。
これは、扁桃体の機能不全が前頭前野の働きを阻害するために、全体的な脳機能も低下することによって生じます。
こうなると、勉強したことのほとんどが長期記憶になりません。
受験生は勉強の効率がわずかに下がっただけだと感じるかもしれませんが、実際には、2週間後にはほとんど記憶に残らないので、勉強の成果は壊滅的に低下している場合が大半です。
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本郷赤門前クリニック
では、どのように勉強のマンネリ化に対抗するべきでしょうか?
一般的に、受験生はマンネリ化に陥ったとき、「気を引き締めてがんばろう!」という精神論に頼りがちです。
しかし、私は受験生を専門に診療している心療内科医として、「そんなアプローチは甘すぎます!」と断言します。
精神論に頼っていると、結局はフワフワした抽象的な対策になってしまい、具体的な成果が出ないまま、夏休みが終わってしまいます。
そうではなく、脳医学に基づいた合理的で具体的な対策が必要です。
効果的な対策を講じるには、脳の扁桃体が、なぜ、夏休みにマンネリ化の落とし穴に陥りやすいのかを正しく理解しておく必要があります。
夏休みにマンネリ化現象が起きるの最大の理由は、勉強時間がたっぷり取れるということです。
時間が長いから、その分、密度が薄くても、「まあいいか…」と、脳の大脳辺縁系という無意識の領域が感じてしまうのです。
扁桃体も大脳辺縁系の一部なので、こうした流れに沿って活動を修正します。
だから、脳全体の興奮を落とし、生き生きとした刺激を受けにくくなるので、マンネリ感が出てくるのです。
夏休みの長さは、実は受験生の脳の扁桃体にとって、大きな落とし穴となってしまっているのです。
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本郷赤門前クリニック
では、夏休みの長さの落とし穴を防ぐには、受験生はどうすればいいのでしょうか?
長い時間に対抗するには、短い時間で勝負するのがベストです。
具体的には、勉強するときに、目先の1時間の目標を設定することです。
そして、意識をその1時間に集中して勉強の取り組むことです。
実際、夏休みの長さのような心理的マジックに脳が負けないようにするには、目の前の1時間という短い時間を強く認識することが、とても効果的だというデータが出ています。
もちろん、目の前の50分でもいいし、30分といった単位でもけっこうです。
でも、2時間や3時間といった長さになると、効果は薄れてきます。
勉強のマンネリ化現象を防ぐためには、目標を立てる時間の単位は1時間が上限だと考えてください。
しかし、現実には多くの受験生が、夏休みになると「今日は、これぐらい勉強しよう!」と、1日の目標を立てて勉強に臨んでいます。
これは、脳にとって、とても危険なことなので、おすすめしません。
1日の目標を立てると、多くの受験生が、目の前の時間より、夕方や夜など、後の時間になってバイバリ勉強できるという幻想に取り憑かれます。
その結果、午前中も午後の早い時間帯も、ついついスマホを眺めてしまいます。
でも、日中にそんな時間の使い方をしていると、夕方になった頃には、挽回不可能なくらい、勉強が進んでいません。
そうすると受験生が取る行動は、2つです。
一つは、「もうダメだ!」とヤケになって、勉強を止めてしまう・・・。
もう一つは、夜更かしをして、気がついたら昼夜逆転してしまう・・・。
いずれも、「受験うつ」を発症するとっても危険な行動なのです。
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このように、夏休みの勉強のマンネリ化は、「受験うつ」の重大な危険因子です。
さらに、これに加え、暑さそのもののストレスや、冷房の効いた部屋との温度差によるストレスで、脳の視床下部の働きが撹乱され、その結果、脳機能が働きにくくなります。
さらに、胃腸が弱って、消化のいいものばかり食べ、アミノ酸が不足してしまいます。
これは、夏バテと同じなのですが、受験生の場合は、夏バテの無気力が、そのまま、勉強のマンネリ感に現れるのです。
この場合も、マンネリ感とともに倦怠感が生じます。
この倦怠感こそが、「受験うつ」のSOSサインになっている場合が多く、決しても見逃さないでいただきたいのです。
夏休みの時期に、勉強のマンネリ感を感じたら、まず、脳にとって危険なダルさなのか、セルフチェックする必要があります。
見分け方については、私のクリニックのホームページの「危険なダルさを見極める8項目!」のページで詳しく解説しています。
勉強のマンネリ化現象と倦怠感が強い受験生は、「受験うつ」を発症している可能性があります。
また、それ以外でも「受験無気力症候群」や「受験燃え尽き症候群」など、受験生特有の脳の不調を起こしている危険性も考えられます。
その一方で、単なる一時的なスランプや心理的な問題に過ぎない場合もあります。
これを見極めるために、ぜひとも受けていただきたいのが、受験に特化した光トポグラフィー検査です。
脳の状態を可視化することで、脳で何が起きているからマンネリ化や倦怠感が生じているのか、科学的に突き止めることができます。
さらに、成績を改善させる脳医学的な方法も明らかになるので、受験生が志望校合格を実現するには、とても役立つ検査です。
受験に特化した光トポグラフィー検査については、こちらのページをご参照ください。
受験に特化した光トポグラフィー検査の結果、「受験うつ」「受験無気力症候群」「受験燃え尽き症候群」などが見つかった場合は、磁気のパルスで脳の働きを高める「磁気刺激治療」をはじめ、最新脳医学治療を行うと、脳内の扁桃体と呼ばれる部分の暴走を抑えることで、学力を早期に回復さえることが可能です。
さらに、脳医学治療の作用で、思考力を働かせるのに不可欠な脳内のワーキングメモリーという機能が高まるため、試験を受けた時の得点能力をアップさせることができます。
実際、弊院の「最新脳医学治療(受験うつ)早期合格コース」では、メンタル面の不調に苦しむ多くの受験生が入試で素晴らしい結果を残してくれています。
メンタル面でデリケートな受験生の方は、ぜひ、万全の準備をして入試に臨んでください。
「最新脳医学治療(受験うつ)早期合格コース」については、以下のフォームからお気軽にご案内を請求していただきたいと思います。
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受験の燃え尽き症候群については、こちらのページでも詳しく解説しています。
あわせてご参照ください。