受験生のストレス症状ガイド Dr.吉田の合格への対処法 

受験生のストレス症状ガイド

Dr.吉田の合格への対処法


 

 ✓  受験生を悩ますストレスに関して、心理面の症状、身体面の症状はもちろん、勉強や試験に直結する脳の働きについての症状まで含めた、受験生専門の心療内科医による完璧なガイドです。

 

 ✓  受験ストレスは、試験の問題解決に欠かせない6つの脳機能の低下を引き起こすため、思考の柔軟性低下や記憶力低下、反応時間の遅れなどが現れます。自身の脳の異常をセルフチェックできます。

 

 ✓  自己肯定感の低下などの心理面の10種類の症状についても、心療内科の視点から自己診断が可能なセルフチェックを提供しています。

 

 ✓  医学研究に基づいたストレス対処法の中から、勉強時間を減らさずに実践でき、ご自宅で手軽に取り入れられるベスト6の方法を厳選し、ご紹介しています。

 

 ✓  心療内科の研究で明らかにされた、自己管理に役立つ本格的なメンタルケア方法も解説しています。

 

 ✓  受験ストレスの効果的な回復と脳機能の向上に役立つ3つの最新医療技術もご紹介しています。」

 

 

 

 

 

 目次   

1. 受験ストレスの放置で受験に失敗

2. 受験ストレスの症状とは?

 2.2 受験ストレスの脳の認知機能の症状

 2.3 受験ストレスによる心理面の症状状

 2.4 受験ストレスによる身体的症状

3. 受験のストレスの対処法とは?

 3.2 今すぐ始める受験ストレスの対処法

 3.3 本格的に取り組む受験ストレス対策

 3.4 最新医学を用いた受験ストレスの治療法

4. 受験ストレスの原因と予防

 

 

 

 


受験ストレス放置で入試に失敗


多くの受験生がストレスを抱えていますが、これによって記憶力・思考力・判断力など、合格するために必要な脳の機能は、軒並み低下してしまいます。

つまり、受験ストレスを放置していると、本来、合格できるはずの試験も、不合格になってしまう危険性があるということです。

 

また、はじめはごく軽い受験ストレスであっても、初期の対応を誤ると、症状をこじらせてしまい、重篤な「受験うつ」に移行するケースも少なくありません。

この場合は、入試の会場に行くことすらできなくなり、受験が不戦敗になってしまうこともあります。

私自身、受験生を専門に診療している心療内科医として、毎年、こうした残念な受験生を数多く目の当たりにしています。

 

 

受験ストレスは、早期であれば、ご自分で勉強や生活のスタイルを、ほんの少し変えていただくだけで、大幅に改善します。

そのための方法をお伝えするのが、このページの目的です。

また最新の医学研究の成果を踏まえ、受験ストレスを根底から除去し、併せて脳の働きをブーストさせることで一気に成績のアップを図る最新の医療技術についてもご紹介します。

 

ただし、いくら医学が進歩しても、ご自分が受験ストレスを抱えているということを自覚できていないと、対策は何も始まりません。

実は、多くの方が受験ストレスを誤解していて、それが症状の見落としにつながっているのです。

受験生がこうした落とし穴に陥るのをふせぐため、受験ストレスの症状についても詳しく解説しています。

 

ご自分の脳や身体に思い当たる兆候が出ていないか、まずは、セルフチェックのリストを見ながら自己診断していただきたいと思います。

 


受験ストレスの症状


受験期間中には、多くの人がストレスを抱えるものです。

その結果、受験生の脳や身体には、さまざまな症状が現れます。

そうした症状のほぼすべてが、受験生が志望校への合格を勝ち取るうえでマイナスに作用してしまいます。

 

自分自身が受験ストレスに蝕まれていることをしっかりと自覚し、脳医学やメンタル医学に基づいた適切な対処をすることが、入試を突破するにはとても重要なことなのです。

 

 

実は今、脳医学の発展により、ストレスに関する研究が一気に加速しています。

しかし、専門の医師や研究者を除けば、世間では「ストレスとはこういうものだ…」といったストレスに関する常識が50年くらい遅れてしまっています。

そのため、多くの方が受験ストレスの兆候を見誤ってしまっているのです。

 

私は受験生を専門に診療している心療内科医として、ストレスへの対処が遅れ、それがこじれる形で「受験うつ」を発病して入試に失敗した方をたくさん見てきました。

みなさんは、ぜひ、そうならないよう、ご自分の脳や身体に生じているストレスのSOSサインを見落とさないでいただきたいのです。

 

 

「受験うつ」については、以下のページで詳しく解説しています。

少しでもその兆候か見られる場合は、ぜひ、こちらのページもご参照ください。

 

 

 

まずは、ストレスの症状が出ていないかを自己チェックすることが重要です。

以下に、受験生によく見られるストレスの症状を列挙しますので、自身に当てはまる項目がないか、ざっと目を通してください。

 

ストレスの症状は心理的なものだけでなく、身体的なものとしても現れます。

そのため、ストレスに関しては、心理的症状と身体的症状の両方を診断することが一般的です。

 

ただし、受験生の場合、これだけでは十分ではありません。

実は、ストレスは医学研究によってもう一つの重要な影響を人体に及ぼすことが明らかにされてきました。

それは、脳の認知機能、つまり記憶力や思考力などの頭の働きに直接的かつ深刻な影響を与えることです。

 

受験生において、これらの頭の働きの低下は学力の低下と密接に関連し、入試に落ちるという最もつらい結果を招く最大の要因となります。

この現実を重視し、まず最初に、脳の認知機能に影響を及ぼす症状について解説します。

心理的症状や身体的症状については、その後に紹介します。 

 


受験ストレスによる脳の認知機能の症状


 

 

 【脳の認知機能に表れる症状】

1.    集中力の低下

2.    記憶力の低下

3.    思考の柔軟性の低下

4.    判断力の低下

5.    レスポンスの遅れ

6.    知覚の歪み

 

 

 

 

受験ストレスによって生じる脳の認知機能の症状は、上記の6項目がとりわけ重要です。これらの症状は、いずれも試験の点数に対してダイレクトに悪影響をもたらすため、志望校合格を成し遂げるためには、決して放置はできないものばかりです。

 

以下では、それぞれ6項目の症状について簡単に説明します。

ご自分の現状に照らし合わせ、問題が出ていないかチェックしてください。

 

 

 1. 集中力の低下 

ストレスが増えると、脳は集中力や注意力を持続する余裕がなくなり、短い時間で急激に低下してしまいます。

特に試験を受けているときは、精神的なストレスが増強されるため、この作用が拡大されることによってケアレスミスが頻発してしまいます。

一般的には、普段の定期テストや模擬試験よりも本番の入試を受けているときのほうがストレスは高まります。

そのため、集中力の低下によるケアレスミスは、より多く生じる傾向があります。

こうした兆候が出ている方は、事前に、脳医学に基づいた適切な対処が必要です。

 

 

 2. 記憶力の低下 

ストレスが高いレベルになると、記憶力に影響を与えます。

記憶の3要素の中で、脳内に長く留める(保持)、覚えたことを思い出す(想起)は、いずれもストレスによって能力が低下するため、勉強中に頑張って暗記したはずなのにすぐに忘れてしまう傾向があります。

また、試験を受けているときは、覚えているはずの知識が思い出せないということが頻繁に起こります。

 

 3. 思考の柔軟性低下 
ストレスが高まると、柔軟な思考や創造性が低下する傾向があります。

こうした能力は、特に応用問題を解く場合や小論文を書くにあたって必要となるものですので、こうした問題や課題が出題される試験では受験ストレスのダメージは深刻な得点ダウンをもたらします。

 

 4. 判断力の低下 

ストレスが増えると、冷静な判断や適切な意思決定が難しくなることがあります。

情報を適切に評価し、適切な選択をする能力が低下することがあります。

 

 5. レスポンスの遅れ 
ストレスが高まると、反応や行動のスピードが低下する傾向があります。刺激への反応が鈍くなり、思考が鈍重になるため、試験を受けると制限時間内に問題を解ききることが困難になります。

 

 6. 知覚の歪み 
ストレスによって知覚が歪んだり、物事の感じ方が乖離したりする傾向があり、その結果、国語や英語の読解問題で思わぬ失点をしてしまいます。

模擬試験を受けた後、自分が間違った問題にたいする答えや解説文を読んでも納得のいかない場合は、受験ストレスで知覚の歪が生じている可能性があります。 

 


受験ストレスによる心理面の症状


 

 

 

  
 
    【心理面の症状】

1.    不安感と心配

2.    自己肯定感の低下

3.    希望や意欲の減退

4.    情緒の不安定さ

5.    対人関係の負担感

6.    焦燥感や不安感

7.    自己評価の厳しさ

8.    心身の疲労感

9.    緊張やパニック症状

10.自己孤立感や孤独感

 

 

 

受験ストレスによって生じる心理面の症状は、上記の10項目がとりわけ重要です。

パニック症状など、試験の結果に直接影響するもの以外にも、自己孤立感など、一見、受験には関係ないような心理面の症状も含まれています。しかし、これらはすべて、入試の当日まで粘り強く受験勉強を続けるために必要なメンタル面の特性にかかわるものなのです。

 

以下では、それぞれ10項目の症状について簡単に説明します。

 

 

いずれも志望校合格のために重要な項目だということを肝に銘じて、ご自分に症状が出ていないかチェックしてください。

 

 

  

 1. 不安感と心配 

受験期間中のストレスが高まると、不安感や心配が増加する傾向があります。合格へのプレッシャーや未来への不確実性によって、心理的な負担が増え、日常生活において不安や心配が頻繁に現れることがあります。

 

 

 2. 自己肯定感の低下 

受験ストレスが続くと物事をネガティブに感じるようになるため、それが自分自身への評価に向かうと、自己肯定感が低下してしまいます。受験勉強を続ける中で、自信を失って落ち込むことも少なくありませんが、実は単なる受験ストレスの影響でそう感じるだけで、実態としては自分の能力は低下していないというのは、心療内科で検査を行うと、よく経験することです。自分の能力や価値に対して自信が揺らぐことがあったら、ひょっとしたら受験ストレスが生み出した幻想かもしれないということを思い出してください。

 

 

 3. 希望や意欲の減退 

受験ストレスによって、モチベーションや学習意欲が低下することがあります。長期間にわたる努力やプレッシャーによって、受験への情熱や目標への意欲が薄れ、学習への意欲を失うことがあります。

 

 

 4. 情緒の不安定さ 

受験期間中は、情緒の不安定さが生じることがあります。ストレスやプレッシャーによって、怒りやイライラ、悲しみなどの感情が増え、情緒の波が激しくなることがあります。小さなことでも感情のコントロールが難しくなり、心の安定を保つことが難しくなることがあります。

 

 

 5. 対人関係の負担感 

受験ストレスによって、対人関係に不安を感じたり人との関わりの負担感が増すことがあります。周囲との比較や競争心が強まり、人前での発言やグループ活動に対して不安を感じることもあります。

 

 

 6. 焦燥感や不安感 

受験ストレスによって、焦燥感や不安感が増えることがあります。合格へのプレッシャーや時間制約によって、未来への不確実性に対する焦りや不安が高まり、自分の進捗や成績に対して不安を感じることがあります。

 

 

 7. 自己評価の厳しさ 

受験期間中は、自己評価が厳しくなることがあります。過度の完璧主義や成功への執着が高まり、自分に対して過酷な評価をする傾向があります。これにより、自己評価の低下や過度な自己批判が生じることがあります。

自分に対して厳しいというのは、精神論としては良いこととされています。しかし、受験ストレスの症状でもあるので、行き過ぎた厳しさは合格を阻む危険なSOSサインです。ご自分で自分のメンタルを追い詰めることをしていないか、これを機会にセルフチェックをしてください。

 

 

 8. 心身の疲労感 

受験ストレスが続くと、心身の疲労感が増えることがあります。長時間の学習やプレッシャーによって、体力的な疲労や精神的な疲れが蓄積され、倦怠感や意欲の低下を引き起こすことがあります。

 

 

 

 9.緊張やパニック症状 

受験直前や試験時には、緊張やパニック症状が現れることがあります。試験の重要性やプレッシャーによって、緊張や不安感が高まり、身体的な症状(呼吸困難、動悸、手の震えなど)や集中力の低下が生じることがあります。

 

 

 10.自己孤立感や孤独感 

受験期間中は、自己孤立感や孤独感が増すことがあります。周囲の人々とのつながりの減少や学習に没頭することでの社会的な孤立感や孤独感が生じ、心理的な負担を増大させることがあります。

 

 

 


受験ストレスによる身体面の症状


  
 
    【身体面の症状】

1.    疲労感と倦怠感

2.    頭痛やめまい

3.    睡眠障害

4.    食欲の変化

5.    免疫力の低下

6.    筋肉の緊張や痛み

7.    消化器の不調

8.    心拍数の増加

 

 

 

 

 

受験ストレスによって生じる身体面の症状としては、以上の8項目が重要です。

 

受験生の中には、「身体面の症状は気合で乗り越えればいい」と考え、ついつい軽視しがちな人もいます。しかし、これはとても危険な考え方です。なぜなら、身体的な症状を生み出している原因がストレスなのに、そこに無理をして頑張ることによる精神的ストレスを上乗せすると、当然のことですが、症状は悪化の一途をたどります。

 

脳機能への症状、心理面への症状と同様に、身体面への症状についても、医学的に適切な対策をとることが、志望校合格への必要条件です。そのために、まずはご自分の身体面の現状について、以下の8項目の症状が出ていないか、セルフチェックをしてください。

 

 

 1. 疲労感と倦怠感 

受験期間中は、長時間の勉強や試験への緊張により、身体的な疲労感や倦怠感が増えることがあります。体力の消耗や精神的なストレスにより、日常的な活動に対するエネルギーが不足し、疲労感を感じることがあります。

 

 2. 頭痛やめまい 

受験ストレスが高まると、頭痛やめまいが現れることがあります。緊張や不安感によって血管が収縮し、頭部の血流が制限されることで頭痛が生じる場合や、ストレスによる身体のバランスの乱れがめまいを引き起こす場合があります。

 

 3. 睡眠障害 

受験ストレスによって睡眠障害が生じることがあります。不眠症や寝付きの悪さ、夜中の目覚めや眠りの浅さが増加し、十分な休息をとることが難しくなる場合があります。

 

 4. 食欲の変化 

受験期間中は、食欲に変化が現れることがあります。ストレスによって食欲が増加し、過食やストレス食いが生じる場合もあれば、逆に食欲が低下し、摂食量が減少する場合もあります。

 

 5. 免疫力の低下 

長期間のストレスにより、免疫力が低下することがあります。受験ストレスによる身体的・精神的な負担が免疫システムに影響を与え、風邪や体調不良にかかりやすくなる場合があります。

 

 6. 筋肉の緊張や痛み 

受験ストレスが増えると、筋肉の緊張や痛みが生じることがあります。肩や首、背中などの筋肉がこわばり、痛みを感じることがあります。これは長時間の座りっぱなしや身体の緊張が原因となる場合があります。

 

 7. 消化器の不調 

受験ストレスによって消化器系の不調が生じることがあります。胃の不快感や胃もたれ、おなかの痛みや下痢、便秘などが現れる場合があります。ストレスが消化器官に影響を及ぼし、消化機能が乱れることが原因となります。

 

 8. 心拍数の増加 

受験ストレスが高まると、心拍数が増加する傾向があります。緊張や不安によって交感神経が刺激され、心臓がより速く鼓動することがあります。これにより、不快な動悸感や胸の緊迫感を感じることがあります。

 

 


受験のストレスの対処法


ここからは、最も大切な「受験ストレスの対処法」についてですが、次の3つのステップにわけてご紹介していきます。

 

   【受験ストレスの対処法】

 

  【ステップ1】 

  今すぐお手軽に始める対処法


【ステップ2】
本格的に取り組むストレス対策
【ステップ3】
最新医学を用いた強力な治療法

 

 

 

【ステップ1】

今すぐお手軽に始める対処法

ここでは、ストレスの程度が軽い場合や一時的なリフレッシュが必要な場合に有効な対処法を提案します。これらの方法は、とても手軽に実践できるため、日常的なストレスの緩和に効果的です。対処として行うのはとても身近なことですが、ご紹介する方法はすべて医学研究で効果が実証されたものばかりです。

 

 

【ステップ2】 

本格的に取り組むストレス対策

次に、ストレスの程度が中程度から高まっている場合に適した対処法を紹介します。より長期的なストレス管理や予防に焦点を当て、習慣の改善や心身のリラクゼーション法の習得などを提案します。これらの方法は持続的な効果が期待できるため、ストレスを根本的に解消するために取り組む価値があります。

 

 

【ステップ3】 

最新医学を用いた強力な治療法

ここでは、重症なストレス症状や何としても難関校に合格したいという場合に対応するための効果が強力な治療法を紹介します。脳医学の発展とともに、受験ストレスの対処や受験うつの治療の技術も飛躍的に進歩しています。重度の受験うつを短期間で克服するだけでなく、最新治療で脳の働きを改善させ難関大学に合格する人も現在では少なくありません。

 

 

このように、「ストレスの対処法」を3つのステップにわけることで、受験ストレスの程度や症状の重さに応じた適切な対処法を選択できます。状況や個々のニーズに合わせて、最適なストレス管理や心のケアを実現しましょう。

 


ステップ1

今すぐお手軽に始める対処法


受験ストレスの症状が軽い場合は、今すぐ簡単にできる以下の6つの方法を取り入れることで、脳や身体の状態が大幅に改善します。

 

この6つの方法は、いずれも、次の3つの条件を満たす方法を厳選したものです。

①受験勉強の時間を全く減らす必要がない、あるいは最小限の時間で実践できること。

②研究論文が発表されていて、医学研究で効果が実証されていること。

③副作用がなく、どなたが実践してもプラスの影響しかでないこと。

 

インターネット上にはストレス対策について多くの情報が掲載されていますが、私たち心療内科医が見れば、明らかに間違った内容であったり、医学的には効果が実証されていない方法がまことしやかに紹介されたりしており、注意が必要です。

しかし、このサイトでは医学研究で実証された方法のみを厳選していますので、安心してとりいれてください。

 

 

 

【今すぐできるお手軽な対処法】

 

・短い周期で勉強と休憩のリズムを作る
・脳にオンとオフの切り替えをさせるルーティン
・勉強中も座り込まず、時々立ち上がる
・勉強中にデュシェンヌ笑顔にする
・部屋の整理整頓を行う
・カラオケを30分熱唱する

 

 

 

 

 

それでは、6つの方法のそれぞれにつて解説します。

 

 

1. 短い周期で勉強と休憩のリズムを作る

 バラバラのタイミンで休憩をとるのではなく、一定のタイミングでとるようにしましょう。これにより、脳に勉強と休憩のリズムが刻みこまれ、休憩中のリラックス効果が高まる結果、受験ストレスは生じにくくなります。

さらに、長い時間勉強して長い時間休むより、短めの時間で勉強と休憩を繰り返したほうが、脳に疲労が蓄積しにくくなるため、受験ストレスの軽減に役立ちます。逆に長時間のダラダラ勉強は、そもそも学習の効果も低いのですが、受験ストレスも悪化するため、最悪の勉強法だといえます。

 

 

2. 脳にオンとオフの切り替えをさせるルーティン

勉強を始めるときと、勉強を中断して休憩に入るときと、それぞれで必ず行う決まった動作(ルーティン)を決めておき実践しましょう。これにより、集中して勉強するスイッチと、心の底からリラックスして休むスイッチが脳内で構築されるため、オンとオフの切り替えがスムーズに行われるようになります。その結果、勉強中はより集中力が上がり、休憩中はストレスの緩和作用がより高まります。

 

 

3. 勉強中も座り込まず、時々立ち上がる

長時間座りっぱなしで勉強すると、身体はもちろん、脳への血流も少なくなり、集中力や疲労感が増します。定期的に立ち上がって身体を動かすことで、血液循環が促進され、脳への酸素供給が良くなります。その結果、勉強の集中力が上がるのはもちろん、脳内にたまっている疲労関連物質が血液の流れとともに除去されるため、受験ストレスが軽減されます。

 

 

4. 勉強中にデュシェンヌ笑顔にする

デュシェンヌ笑顔とは、口角が上がり、目が笑っているような本物の笑顔のことです。勉強中に意識的に笑顔を作ることで、脳に信号が送られ、気分が明るくなり、ストレスの軽減につながります。

逆に暗い表情で勉強していると、受験ストレスが悪化しますので、勉強中の表情には注意が必要です。

 

 

5. 部屋の整理整頓を行う

人間の脳は、周囲の環境と連動して活動しようとする効果が働いていることが、脳医学の研究で解明されています。部屋の整理整頓を行うと、この効果が働き、脳内でも様々な悩みや不満に関して整理整頓が行われるため、ストレスが緩和されるのです。部屋の片づけをした後には、スッキリした気分になるものですが、このスッキリ感の正体は、まさしく脳内でこうした効果が働いていた結果なのです。

詳しくは「机の整理整頓で上がる成績 !」のページで解説していますので、こちらをご一読ください。

 

 

 

6. カラオケを30分熱唱する

楽しい趣味や娯楽は、何をやってもそれなりのストレス緩和効果があります。ただし、忙しい受験生の場合は、できれば30分程度の時間で十分な効果を得たいとことです。その点でおすすめなのがカラオケの熱唱です。陶酔して歌うと、脳内でオピオイドという成分が分泌され、ストレスを強力に抑え込む働きをしてくれます。

詳しくは「30分のカラオケで脳が復活」のページで解説していますので、ご一読ください。 

 

以上の6つの方法を日常に取り入れることで、受験ストレスの症状の軽減に役立ちます。自分に合った方法を見つけて、効果的なストレス対策を行いましょう。

 

 


ステップ2

本格的に取り組むストレス対策


 

受験ストレスの対処に根本的に取り組むためには、より心と脳の本質にアプローチする必要があります。そこでステップ2では、心理学に基づいた科学的な方法や脳医学の知見を活用し、長期的な視点で受験ストレスの解決を図ります。実践するのに時間や労力がかかるものも含まれており、この場合はどうしても勉強時間が減ってしまうので、自分のストレス状況を正確に把握たうえで、適切なアプローチを上手に選択する必要があります。

 

 

 

【本格的に取り組むストレス対策】

 

1.ポジティブ・セルフトーク
2.自己効力感の向上
3.遂行目標から熟達目標への転換
4.十分な睡眠と適度な運動の実践
5.リラックスや趣味に充てる時間を作る

 

 

 

 

 

このうち、1から3までの方法につて解説します。

 

 

1.ポジティブ・セルフトーク

ポジティブ・セルフトークは、自分の心の内面に自分自身がポジティブな言葉を繰り返しかけることで、ポジティブな心理状態へと切り替える暗示効果が働き、それによって精神的なストレスがたまりにくい脳と心へと成長していくというものです。心理学では、こうしたセルフトークに使われるポジティブな言葉やフレーズをアファメーションと言います。受験生におすすめのアファーメーションの言葉をご紹介しておきます。

  • 私は受験に向けて努力を重ねてきた。
  • 私は自分の学力を信じている。
  • 私は集中力を持って勉強に取り組む。
  • 私は試験で素晴らしい結果を出せる。
  • 私は自分に厳しく勉強に取り組むことができる。
  • 私は自分の成長を信じている。
  • 私は冷静に問題に対処できる。
  • 私は自分の進歩に誇りを感じる。
  • 私は自信を持って入試に挑戦する。

 


2.自己効力感の向上

自己効力感の向上は、受験生にとって非常に重要な要素です。自己効力感とは、自分自身が目標を達成できるという信念や自信のことを指します。自己効力感が高い受験生は、困難に直面しても自信を持ち、努力を続けることができます。

自己効力感が高まると、受験生は自信を持って困難に立ち向かうことができます。失敗や挫折に直面しても、自己効力感の高い受験生は諦めずに前進し、自己成長を遂げることができるのです。自己効力感を育てることは、受験期間において非常に重要な要素であり、成果を出すための大きなカギと言えます。

 

自己肯定感を高めるための具体的に方法については、「受験勉強のスランプ」のページで解説していますので、そちらをご参照ください。

 

 

 

 

 

3.遂行目標から熟達目標への転換

「遂行目標」とは、他人からの高い評価や自己評価を獲得することを目的にして、練習や勉強に取り組むことを指します。例えば、偏差値の高い大学に合格することを目標として、受験勉強に取り組むことがこれに当たります。

一方、「熟達目標」とは、自分自身の能力を着実に伸ばし、自分を成長させることを目的にして取り組む勉強法です。つまり、偏差値の高い大学に合格することよりも、自分自身が勉強することで能力を伸ばすことにフォーカスを置く方法です。

受験生のほぼ全員が、日々、「遂行目標」に追い立てられながら勉強をしていますが、これを「熟達目標」に切り替えると、受験生はメンタルがタフになり、ストレスに負けにくくなることがわかっています。さらに脳の働きが良くなることで、問題を解く能力も高まってくれるので、志望校合格には二重三重のメリットがあります。

「遂行目標」へのこだわりを捨てることで、究極の「遂行目標」である合格が手に入る・・・。人間のメンタルは面白いものです。具体的な方法については「遂行目標と熟達目標の脳への効果」のページで解説していますので、そちらをご参照ください。 

  


ステップ3

最新医学を用いた強力な治療法


 

最新医学を用いた強力な治療法は、重症度の高いストレス症状や難関校合格への強い願望を実現するために開発されています。脳医学の進歩に伴い、受験ストレスや受験うつの治療に関する技術も大きく進歩しています。これらの治療法は、重度の受験うつを短期間で克服するだけでなく、脳の働きを改善し難関大学の合格に向けたサポートを行うことも可能です。

 

 

 

 

 【最新医学を用いた強力な治療法】

1.受験の脳に特化した「磁気刺激治療」
2.脳機能を高める「CBT治療」
3.光トポグラフィー検査で5つの特別診療

 

 

 

 

1.受験の脳に特化した「磁気刺激治療」

磁気刺激治療は、受験の脳機能を特定の部位に集中的に刺激する治療法です。磁気刺激を用いることで、脳の神経回路を活性化させ、認知機能や集中力の向上を促す効果があります。この治療法は非侵襲的な手法であり、副作用が少ないため、安全に利用することができます。受験ストレスによる脳の疲労や不調和を改善し、学習効果を高めるのに効果的です。

 


2.脳機能を高める「CBT治療」

CBT(認知行動療法)は、受験生の認知や行動を改善することに焦点を当てた治療法です。この治療法では、受験に関連するネガティブな思考や行動パターンを変えることを目指します。具体的には、負の思考パターンの再構築や対処法の学習、目標設定や時間管理の改善などを行います。CBTは科学的に根拠があり、受験ストレスの軽減や自己効力感の向上に効果があります。


3.光トポグラフィー検査の「5つの特別診療」

光トポグラフィー検査は、脳の血流の変化をセンシングすることで脳のエリアごとの活動量の変化を経時的に計測する検査法です。この検査により、受験生の脳の活動パターンや機能状態を評価することができます。5つの特別診療では、光トポグラフィー検査の結果をもとに、志望校への合格を勝ち取る上で、とても重要な①ヤル気・②イライラ対策・③集中力・④記憶力・⑤思考力の5つに対して、受験生お一人お一人の脳の個性に合わせてピンポイントで最適化を図るものです。

 

 

本郷赤門前クリニックでは、「磁気刺激治療」「CBT治療」「5つの特別診療」の3つをセットで行う「磁気刺激治療(受験うつ)早期合格コース」という診療プログラムを提供しています。

 

詳しくは「磁気刺激療法(受験うつ)早期合格コース」のページをご参照ください。

 

 


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受験ストレスの原因と予防


受験ストレスを予防するためには、その原因が何なのかを理解しておくことが最も大事です。そのうえで、できる限り受験ストレスになりうる原因を排除した形で、受験勉強や日常生活を送ればいいのです。

 

受験ストレスの原因は多岐にわたります。以下に、受験ストレスの一般的な原因を列挙し解説します。

 

  

 

 

【受験ストレスの原因】

1. 受験の重圧
2. 過密なスケジュール
3. 大量の情報と知識の吸収
4. 競争意識と自己評価
5. 不確実性と未来への不安
6. 睡眠不足と生活リズムの乱れ
7. 試験への不安と不正確な情報
8. 家族や周囲の期待との関係性
9. 予期しない出来事や災害
10.心理的な負担と精神的な不安

 

 

  

1.受験の重圧

合格への高い期待や社会的なプレッシャー、進学や将来に対する不安などが、受験生にストレスを与える原因となります。

これにより、受験生は周囲からの期待や要求に応えることに焦りや負担を感じ、自己評価や自己価値に対する不安が生じることがあります。また、合格のための高い目標を追い求めることによるプレッシャーもストレスとなります。

 

 

2.過密なスケジュール

受験期間中は、試験勉強や学校の授業、模試や予備校の受講など、多忙なスケジュールが詰まっています。時間的な制約やスケジュールの調整の難しさがストレスを引き起こすことがあります。

これにより、受験生は時間の不足や多忙さによる疲労やストレスを感じることがあります。また、予定の変更や調整の難しさによって生じる不安感やプレッシャーもストレスの要因となります。

 


3.大量の情報と知識の吸収

受験勉強は大量の情報と知識を吸収する作業です。これにより、情報の処理や覚える量に対するプレッシャーが生じ、ストレスとなることがあります。

 

受験生は、膨大な教科書や問題集、過去の試験問題などから必要な知識を習得しなければなりません。情報の整理や理解に追われることで、時間的な制約や記憶の負荷を感じ、ストレスが蓄積されます。また、多くの科目に対応しなければならないこともストレスの要因となります。

 


4.競争意識と自己評価

同級生や友人との競争意識や自己評価へのプレッシャーが受験ストレスを引き起こすことがあります。他の人と比較されることや、自分自身に対して厳しい評価をすることがストレスとなることがあります。

受験生は、成績や順位、模試の結果などを通じて自己評価を行います。他の受験生との比較や競争によって自己評価が左右され、自信喪失や不安感が生じることがあります。また、自分に対して高い基準や要求を設定することもストレスの要因となります。

 


5.不確実性と未来への不安

受験生は将来の進路やキャリアについての不確実性を抱えています。志望校への合格や進学先の選択など、未来に関わる重要な決定を迫られることがストレスを引き起こすことがあります。

受験生は、受験結果や進学先の決定によって将来の方向性が大きく左右されることを意識しています。不確実な未来や将来への不安、自分の選択の結果に対する不安感やプレッシャーがストレスとなります。また、将来の自分の姿や目標に対する不確かさもストレスの要因となります

 


6.睡眠不足と生活リズムの乱れ

長時間の勉強や試験対策により、睡眠不足や生活リズムの乱れが生じることがあります。十分な睡眠や健康的な生活習慣の欠如がストレスの増加につながることがあります。

受験生は、試験勉強や学校の授業、予備校の受講などに多くの時間を費やします。そのため、十分な睡眠時間を確保することが難しくなる場合があります。睡眠不足や生活リズムの乱れによって体力や集中力が低下し、ストレスの感じ方が変化することがあります。また、不規則な生活習慣や栄養バランスの崩れもストレスの要因となります。

 


7.試験への不安と不正確な情報

試験への不安や合格への不確実性によるストレスがあります。また、不正確な情報や噂によって、受験生の不安やストレスが増幅されることがあります。

 

受験生は、試験の結果や合格に関する不確実性を感じることがあります。これによって不安や緊張が生じ、ストレスの感じ方が変化します。また、口コミやSNSなどで広まる不正確な情報や噂によって、試験に対する不安やプレッシャーが増し、受験生のストレスが高まることがあります

 


8.家族や周囲の期待との関係性

家族や周囲の人々からの期待やプレッシャーが受験ストレスの原因となることがあります。親の期待や周囲の期待に応えようとするプレッシャーが受験生にストレスを与えることがあります。

受験生は、家族や教師、友人などの周囲の人々からの期待や応援を受けています。これによって合格や好成績を達成しようとするプレッシャーや責任感が生じ、ストレスを感じることがあります。また、家族や周囲の人々との関係性やコミュニケーションの調整もストレスの要因となります。

 

 

9.予期しない出来事や災害

受験期間中に予期しない出来事や災害が起こると、受験生に大きなストレスを与えることがあります。例えば、家族の病気や災害による影響などが挙げられます。

 

これらの予期しない出来事や災害によって、受験生の生活や状況が一変することがあります。そのような状況下での対応や心配、不安、不確実性が受験生にストレスをもたらすことがあります。

 


10.心理的な負担と精神的な不安

受験に伴う心理的な負担や精神的な不安が受験ストレスを引き起こすことがあります。不合格の恐怖や自己否定、将来に対する不安などがストレスとなることがあります。

受験生は、受験に伴うプレッシャーや責任感、成功や失敗への恐れ、自己評価への不安などの心理的な負担を抱えています。また、将来への不安や進路の不確かさによって、受験生の精神的な安定や幸福感が低下し、ストレスが増加することがあります。

 

 


 

 

受験生の皆さんへ、ドクター吉田からのメッセージ

 

 

受験期間はさまざまなストレス要因が存在し、心身に負担をかけることがあります。しかし、これらの要因を知っておくことで、より効果的に対処することができます。

 

合格への期待や社会的なプレッシャー、過密なスケジュール、大量の情報吸収、競争意識や自己評価、不確実性や未来への不安、睡眠不足や生活リズムの乱れ、試験への不安や不正確な情報、家族や周囲の期待、予期しない出来事や災害、心理的な負担や精神的な不安―これらは受験ストレスの主な要因です。

 

これらの要因を知っておくことで、ストレスを予防するための対策を講じることができます。スケジュールを適切に管理し、情報の取捨選択を行うことで負担を軽減しましょう。自己評価を過度に気にせず、競争ではなく自己成長に焦点を当てることも重要です。

 

また、十分な睡眠や健康的な生活リズムの確保、信頼できる情報源の活用、家族や周囲の期待に応えるだけでなく、自分自身の幸福も考えることが大切です。予期しない出来事への備えや心のケアも忘れずに行いましょう。

 

受験ストレスを軽減するためには、これらの要因を理解し、適切な対策を取ることが重要です。自分自身を大切にし、バランスの取れたアプローチを心掛けましょう。受験期間は挑戦の時です。自信を持ち、困難に立ち向かいましょう。

 

 

あなたたちは頑張る価値があります。応援しています!

 

 


参照した研究論文のリスト

 

① Pozos-Radillo, B., Preciado-Serrano, M., Acosta-Fernández, M., Aguilera-Velasco, M., & Delgado-García, D. (2014). Academic stress as a predictor of chronic stress in university students. Psicología Educativa.

 

② Karamova, N., Gurbanova, L., Guliyeva, N., Jafarova, E., Mammadov, Z., & Garayev, A. (2020). Studying Interactions Between Exam Stress And Cognitive Processes. . 

 

③ Zunhammer, M., Eberle, H., Eichhammer, P., & Busch, V. (2013). Somatic Symptoms Evoked by Exam Stress in University Students: The Role of Alexithymia, Neuroticism, Anxiety and Depression. PLoS ONE.

  

④ Hafeez, M., Shakil, S., & Jangsher, S. (2018). Stress Effects on Exam Performance using EEG. 2018 14th International Conference on Emerging Technologies (ICET).

 

⑤ Arun, P., Garg, R., & Chavan, B. (2017). Stress and suicidal ideation among adolescents having academic difficulty. Industrial Psychiatry Journal.

 

⑥ Bartwal, R., & Raj, A. (2013). Academic Stress among School Going Adolescents In Relation To Their Emotional Intelligence. International journal of innovative research and development.

 

⑦ Hashmat, S., Hashmat, M., Amanullah, F., & Aziz, S. (2008). Factors causing exam anxiety in medical students.. JPMA. The Journal of the Pakistan Medical Association.

 

⑧ Latas, M., Pantić, M., & Obradovic, D. (2010). [Analysis of test anxiety in medical students].. Medicinski pregled.

 

⑨ Shamsdin, S., Anvar, M., & Mehrabani, D. (2010). The Effect of Exam Stress on Serum IL-6, Cortisol, CRP and IgE Levels. Iranian Red Crescent Medical Journal.

 

⑩ Reeve, C., Bonaccio, S., & Winford, E. (2014). Cognitive ability, exam-related emotions and exam performance: A field study in a college setting. Contemporary Educational Psychology.

 

⑪ Zunhammer, M., Eichhammer, P., & Busch, V. (2014). Sleep Quality during Exam Stress: The Role of Alcohol, Caffeine and Nicotine. PLoS ONE.

 

⑫ Espejo, M., Blanca, M., Fernández-Baena, F., & Torres, M. (2011). Adaptación española de la escala de manifestaciones de estrés del Student Stress Inventory (SSI-SM). Psicothema.

 

⑬ Zeidner, M. (2007). Test Anxiety in Educational Contexts: Concepts, Findings, and Future Directions. .