(このページの要点)
・受験勉強のスランプは単なる不調ではなく、脳の働きに具体的な問題が隠れている!
・スランプの影に「受験うつ」などの病気が隠れている場合も多い!
・スランプから「脳のSOSサイン」を読み取れば、早期に回復できる!
・最新の光トポグラフィー検査(Optical Topography)でスランプが分析できる!
受験勉強を続けていると、必ず、スランプに陥る時期がやってきます。
このスランプを、大半の受験生や塾の先生は、単なる不調だと思っているようです。
実際、私自身も、受験勉強を専門とする心療内科医になる前は、何の根拠もなしに、スランプとはそのようなものだと思っていました。
しかし、メンタル医学が発展しているアメリカを中心に、スランプのメカニズムに関して研究が進み、これまでの常識が誤りであることがわかってきました。
アメリカは日本と異なり、大学への入学は容易なのですが、ハーバード大学やスタンフォード大学など一流大学では、進級や卒業のためには、日本の受験勉強よりさらに過酷な勉強が求められます。
また、医師国家試験や司法試験など受験も、心身ともに厳しい環境に置かれています。
彼らの成績の変化を調べると、日本の受験生と同様、やはり、スランプに陥るケースが少なくないのです。(Academic Slump)
メンタル医学の面からスランプを分析すると、単なる不調だと済ませられるケースはごく一部に過ぎず、実はスランプの大半が、脳の働き方に関し何らかの具体的な問題点があり、脳機能が制限されるために起こっていることがわかってきました。
学習法や学習環境に具体的な問題が潜んでおり、改善を求めるために脳がSOSサインを発している場合がとても多いのです。
あるいは、うつ病や双極性障害といった病気を発病している場合もあります。
いずれにしても、放置しておくのは厳禁です。
脳の状態を正確に測定し、問題点に合わせて改善策を講じる必要があります。
スランプに陥ったとして来院される受験生を診断した結果、「うつ病」が見つかるケースが少なくありません。
「うつ病」を発症すると、脳機能が低下するため、まず応用問題が解けなくなります。
さらに、ケアレスミスが増え、模擬テストなどでも、成績が悪化します。
また、意欲が低下するため、机に向かっても、長時間、勉強することはできなくなるのです。
単なるスランプだと思っていた受験生に、「うつ病」であることを告げると、ほとんどの方は、驚くと同時に肩を落とします。
しかし、そんな場合に私は、むしろ志望校への合格が一気に近づいた朗報だと力説しています。
少なくとも受験の合否に関して、悲観すべき状況ではないのです。
それは、どういうことなのか?
適切な対処をすれば、「うつ病」は回復させることができます。
つまり、成績や意欲の低下の原因が「うつ病」であれば、医療的な措置によって試験の点数も回復させることができるということです。
単なる不調だったら、何が根本的な原因か不明確なので、回復の見込みも立ちません。
そんな漠然とした状態より、はっきりと原因がわかっている方が、はるかに合格に直結しているのです。
大切なのは、スランプの影に隠れた「うつ病」を、一刻も早く見つけ出すことです。
スランプの影に、「双極性障害Ⅱ型( bipolar II disorder)」という病気が潜んでいる場合もあります。
「双極性障害」とは、以前は「躁うつ病」と呼ばれていた病気で、正反対の躁状態とうつ状態を繰り返すのが特徴です。
その中で、躁状態がはっきりしているのが「双極性障害Ⅰ型( bipolar I disorder)」、躁状態がはっきりしていないのが「双極性障害Ⅱ型( bipolar II disorder)」です。
「双極性障害Ⅱ型( bipolar II disorder)」の場合は、本人はもとより、ご家族の方も気づきにくく、受験生が発病した場合は単なるスランプだと誤解されるケースが少なくありません。
問診していて多く見られるのは、軽い躁状態のときに、「勉強の調子がよくなった」、「自分の能力が開花した」、「受験勉強のコツがつかめた」と判断します。
しかし、こうした状態は長く続かず、必ず、うつ状態に転換します。
そのときに、「極度のスランプに陥った」と、本人は感じるわけです。
「双極性障害Ⅱ型( bipolar II disorder)」についても、合格を勝ち取るには適切な治療が不可欠です。
一刻も早い正確な診断が求められます。
もちろん、受験勉強のスランプの原因が、すべてメンタルな病気だというわけではありません。
ただし、その場合も、単なる不調だと決めつけてはいけないのです。
人間の脳は、ものすごく複雑な機能を担っていますが、突き詰めると有機化合物でできた装置です。
最近の脳機能に関する研究から、スランプという機能低下を起こす背景には、それぞれ具体的な問題点があるということがわかってきました。
逆にいえば、スランプという脳のSOSサインから問題点を読み取ることができれば、脳の機能を回復、あるいはさらに強化することにより、大幅な成績アップが望めるということです。
当院では、何らかの病気が隠れていないことを確認した上で、学習環境や学習法にスランプの原因となる問題点はないか探ります。
そのために、最も重視しているのは、最新の「光トポグラフィー検査(Optical Topography)」です。
「光トポグラフィー検査」は、まったく副作用のない安全な赤外線を使い、脳のどの部分がどのように働いているか、詳しく検出できる画期的な検査です。
このデータを元に詳しくカウンセリングを行うと、必ず、問題点が浮き彫りになるものです。
塾の先生との相性が悪い・・・。
参考書がわかりにくい・・・。
志望校が自分に合っていない・・・。
脳は、深層心理の中で問題点を見つけると、行動を変容させるために、わざと意欲を低下させます。
つまり、この場合のスランプは、問題があることを本人の意識に伝えるためのSOSサインだといえるのです。
こうした勉強法の改善にも、脳の「光トポグラフィー検査」のデータは有益です。
合格をつかみ取るためには、改善策が早急に必要です。
脳が発するSOSサインを見落としてはいけません。
【解説】光トポグラフィー検査 ⇒クリック!