成績が下がった

子どもへの声掛け

心療内科医が教える成績回復のための脳と心の法則とは?



 ✓  成績が急落して気落ちしている子どもに対して、親はどのような声掛けをすればよいのか、受験生を専門に診療している心療内科医の観点から解説します。

 

 ✓  スランプに陥っている子どもに対して、親が不用意に励ましの言葉をかけると、子どもの心にトラウマが生じ、無気力症候群や勉強恐怖症を生み出す要因になります。

 

 ✓  子どもがスランプに陥った場合、原因は「心理学的な不調によるスランプ」と「脳医学的な不調によるスランプ」の2種類があります。それぞれで回復への対処が異なりますので、区別が重要です。

 

 ✓  どちらのタイプのスランプなのかは、ちょっとしたコツをつかめば、親子の対話の中である程度は推測がつけられます。

 

 

 


お子さんの成績悪化で親はどうする?


脳の認知機能には、どなたにも好調と不調の波が訪れます。

ですから、子どもたちの成績の浮き沈みは、必ず生じるものです。

特に受験生の場合は、何度か大きなスランプを経験する人が大半です。

 

 

成績が急落すれば、必ずお子さんは気落ちします。

そのようなときに親に問われるのは、どのような声掛けをしてあげるのかということです。

 

しかし、とても残念なことに、多くの親御様が、わが子に良かれと思ってかけている言葉が逆効果になってケースが多いのです。

中には親にかけてもらった言葉によって、お子さんの心にトラウマを作ってしまって、スランプを悪化させることになっている場合もあります。

 

 

成績が落ちてしまった子どもに対し、親が適切な対応をするために、受験生を専門に診療している心療内科医として、ぜひ、知っておいていただきたいことがあります。

 

それは、お子さんがスランプに陥った場合に、「心理学的な不調によるスランプ」と「脳医学的な不調によるスランプ」と、まったく違う二種類のタイプがあるということです。

お子さんのスランプがどちらのタイプなのかによって、スランプから脱する方法も根本的に異なるため、この区別は特に重要です。

 

 

 

お子さんの成績が急落したときに、親御様はどのような声掛けをすべきか?

スランプの二つのタイプとは、どのようなものか?

お子さんの成績を回復させるための方法を、わかりやすく解説します。

 

 


励ましの言葉はスランプに逆効果!


成績が下がって落ち込む子どもに対して、多くの親が「頑張れ!」といった励ましの言葉を送ろうとします。

 

しかし、多くの場合、その言葉によって勇気やヤル気がわいてくるといったプラスの効果を生じることは、ほとんどありません。

 

むしろ、そうした親の声かけによって、子どもの悩みや苛立ちが深くなり、余計にスランプが悪化するといったマイナスの効果が現れるほうが多いのが実情です。

 

 

 


「頑張れ!」と言ってはいけない理由は?


「うつ病」の患者さんに「頑張れ!」と言ってはいけないことは、ご存じの方が多いと思います。

 

頑張ろうと思っても、脳が頑張れない状態になっているのが「うつ病」です。

だから、「頑張れ!」と励ましの言葉をかけられると、頑張れないことに対する患者さんの苦悩が深まり、病状を悪化させてしまうのです。

 

 

スランプに陥った子どもに「頑張れ!」と励ましの言葉を送るのも、「うつ病」も場合と状況はよく似ています。

 

やはり、頑張ろうと思っても頑張れない・・・、あるいは、どう頑張ったらいいのかわからない状態に陥っていることが多いのです。

そんなときに、親に「頑張れ」と言われるのは、傷口に塩を塗るようなものなのです。

 

 

その結果、子どもの心にトラウマを作り出してしまい、無気力症候群や勉強恐怖症を生み出す要因になってしまいます。

不用意な励ましの言葉は、とても危険な副作用があることを忘れないでいただきたいと思います。 

 

 


腫れ物に触るような対応もNG!


受験生の場合は、成績の悪化は入試の失敗に直結します。

だから、成績が急落したことによる気分の落ち込みや不安は、よりいっそう深刻です。

そのような場合、受験生に対し、腫れ物に触るような対応をする親も少なくありません。

 

しかし、こうした接し方をされると、受験生の脳の中で不調が固定化される作用が働くことが多く、これは決して望ましい対応ではありません。

 

 

実際、受験生を専門に診療している私の心療内科クリニックで、受験生ご本人にカウンセリングを行うと、スランプに陥ったときに家族から腫れ物に触るような対応をされて、いたたまれないような気持ちになったという話をよく聞きます。

 

親は上手に当たり障りなく接することができたと思っていても、スランプに陥って心理的に過敏になっている受験生には、親の不自然な態度が心に暗い影を落とすのです。

 

 

 


まずは悩みを傾聴し、共感の言葉を伝えること!


まず、親が真っ先に行うべきことは、スランプに陥った受験生のお子さんの悩みに耳を傾けてあげることです。

 

このとき、大事なのは、無理して良いアドバイスを与えようとしないことです。

 

 

日々、受験生のメンタル面のトラブルと向き合っている私であっても、検査データなど多くの情報がなければ、少し話を聞いたくらいで適切なアドバイスなど、できるものではありません。

ましてや、他のお仕事をされている親御様が適切なアドバイスを与えるというのは、現実的にはかなり困難なことです。

 

 

親は無理をしてよいアドバイスを与えようとするのではなく、まずは悩みに耳を傾けてあげることです。

そして、共感の言葉をかけてあげましょう。

それだけで、多少なりとも受験生の悩みは、軽減する方向に変化します。

 

  


心理学的な不調か?脳医学的な不調か?


次に親御様にやっていただきたいことは、お子様のスランプがどのようなタイプか見分けることです。

 

メンタル医学の研究で、受験生のスランプについては、まったく異なる2つの種類があることがわかってきました。

 

それは、

 

① 「心理学的な不調によるスランプ」

② 「脳医学的な不調によるスランプ」

 

以上の2つです。

 

 

この2種類のスランプは、不調を招く病理学的なメカニズムが根本的に異なり、必要な対応もまったく異なります。

 

親御様には、おおよそでいいので、我が子がどちらのタイプのスランプに陥っているのか、受験生の悩みに耳を傾けながら、見極めをしていただきなたいのです。

 

 


「心理学的な不調によるスランプ」とは?


「心理学的な不調によるスランプ」とは、脳の情報処理の機能については異常がなく、純粋に心の問題によって生じるスランプです。

比較的、症状は軽いものの、このタイプのスランプは長期間、続いてしまう傾向があります。

 

 

こちらについては、「心理学的な不調によるスランプ」をご自宅でご自分一人で回復させることができる「自己効力感トレーニング勉強法」が効果的です。

 

 


「脳医学的な不調によるスランプ」とは?


一方、「脳医学的な不調によるスランプ」は、「受験うつ」など、脳の機能そのものに不調が生じているために起こるもので、簡単に言うと、脳が何らかの形で故障している部分があり、それによってスランプになってしまうわけです。

 

こちらは、脳という情報機器に故障が生じているわけですから、当然、症状が重くなりがちなのです。

 

 

ただし、逆にいうと、適切な治療によって脳の故障を治せば、勉強のスランプも自動的になくなります。

ですから、「心理学的な不調によるスランプ」よりも、早く成績をもとに戻すことができることが多いのです。

 

 

私が心療内科クリニックで治療にあたっているのは、こちらのタイプの不調が中心ですが、この場合は、ご家庭だけで対処するのは危険ですし、また、不可能でもあります。

 

私のクリニックも含め、医療機関にお任せいただきたいと思います。

 

 


見極めは親自身の経験に置き換えてみること!


「心理学的な不調によるスランプ」なのか、「脳医学的な不調によるスランプ」なのかを見極めのコツは、我が子の置かれている状況を親自身の経験に置き換えて見ることです。

 

そうして、「こうなるのは私も納得できる・・・」ということなら、「心理学的な不調によるスランプ」の可能性が高まります。

 

 

一方、親御様がそこに何らかの病的なものを感じる場合は、「脳医学的な不調によるスランプ」である可能性が考えられます。

 

「脳医学的な不調によるスランプ」を放置すると、受験ストレスによって脳の機能低下がさらに悪化し、「受験うつ」に移行してしまいます。

 

親御様が迷った場合は、「脳医学的な不調によるスランプ」の可能性もあると考え、念のため、医療機関を受診させることをおすすめします。

 

 


見極めは親自身の経験に置き換えてみること!


では、「心理学的な不調によるスランプ」をご自分で対処するには、どうしたらよいのでしょうか?

そのためには、まず、どのようにしてスランプに陥るのが、その理由を正しく理解しておく必要があります。

 

 

このタイプのスランプは、ご自分では自覚していないのですが、はじめは、模擬テストや定期テストで、偶然、問題が解けなかったという些細なことから、スランプの芽みたいなものが始まるのです。

その時は、本人は気にも止めないくらい、ごくごく小さな心の傷で、通常、記憶にも残りません。

 

 

しかし、ちょっとだけ悪い点数 ⇒ ちょっとだけ焦りと不安 ⇒ さらに悪い点数 ⇒ さらに焦りと不安 ⇒ ⇒ ⇒・・・という具合に、悪循環によって、だんだん悪化して、やがて本格的なスランプになるわけです。

 

だから、きちんと、この悪循環を断ち切ることを行えば、それだけで、わりとすぐに、スランプは消えてなくなるわけです。

 

 

でも、ほとんどの受験生は、この悪循環を断ち切るということが、できていないんです。

だから、どんどん悪化して成績が落ちるわけです。

 

 


「自己効力感トレーニング勉強法」でスランプを克服しよう!


その対策として、特に効果が高いことが実証されているのが、自己効力感を高めることで、これを受験勉強に組み込んだのが、「自己効力感トレーニング勉強法」です。

 

 

具体的にどのように実践したら良いのかについては、「受験勉強のスランプ Academic Slump 原因は脳と心の不調」のページに書いておきました。

 

「自己効力感トレーニング勉強法」については、次の4つの見出しの部分で重点的に解説しています。

 

① ご自分で簡単にできる自己効力感トレーニングで、スランプから脱出!

②「自己効力感トレーニング勉強法」とは?

③ 自己効力感を高める勉強時間の設定方法!

④ 自己効力感を高める各科目の勉強法!

 

ぜひ、こちらもあわせてご一読ください。


スランプのタイプの見極め

受験に特化した光トポグラフィー検査


「心理学的な不調によるスランプ」なのか、「脳医学的な不調によるスランプ」なのかを見極めるために、ぜひとも受けていただきたいのが、受験に特化した光トポグラフィー検査です。

脳の状態を可視化することで、脳で何が起きているから成績の悪化が生じているのか、科学的に突き止めることができます。

さらに、成績を改善させる脳医学的な方法も明らかになるので、受験生が志望校合格を実現するには、とても役立つ検査です。

  

受験に特化した光トポグラフィー検査については、こちらのページをご参照ください。

 


脳の状態を最新医学で最適化!

磁気刺激治療・早期合格コース


受験に特化した光トポグラフィー検査の結果、「脳医学的な不調によるスランプ」が見つかった場合は、磁気のパルスで脳の働きを高める「磁気刺激治療」を行うと、脳内の扁桃体と呼ばれる部分の暴走を抑えることで、学力を早期に回復さえることが可能です。

 

さらに、磁気のパルスの作用で、思考力を働かせるのに不可欠な脳内のワーキングメモリーという機能が高まるため、試験を受けた時の得点能力をアップさせることができます。

 

 

実際、弊院の「磁気刺激治療(受験うつ)早期合格コース」では、メンタル面の不調に苦しむ多くの受験生が入試で素晴らしい結果を残してくれています。

メンタル面でデリケートな受験生の方は、ぜひ、万全の準備をして入試に臨んでください。

 

「磁気刺激治療(受験うつ)早期合格コース」については、以下のフォームからお気軽にご案内を請求していただきたいと思います。

 


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受験の燃え尽き症候群については、こちらのページでも詳しく解説しています。

あわせてご参照ください。

 


 【2018年】 本郷赤門前クリニックの実績  🌸東京大学、理科Ⅰ類(2人)、理科Ⅱ類、文科Ⅰ類、文科Ⅲ類、合格!!🌸京都大学、理学部、工学部、合格!🌸🌸🌸 🌸早稲田大学、基幹理工学部、商学部、合格!🌸🌸🌸 🌸慶応大学、理工学部、総合政策学部、合格!🌸🌸🌸 🌸医学部、東京都内、近畿地方など多数、合格!🌸🌸🌸 その他、歯学部、薬学部、マーチ、日東駒専、短大に多数、合格!