『テストの花道(NHK)』

机の整理整頓で、上がる成績 vs 下がる成績!


 

 ✓  机の整理整頓で、勉強の効率が上がる場合と下がる場合がある!

 

 ✓  勉強の集中力は、机の整理整頓でアップする!

 

 ✓  机の上が片付いていれば、勉強のストレスも軽くなる!

 

 ✓  創造力は、乱雑な部屋の環境から生まれる!

 

 ✓  応用問題や小論文は、整理されていない机のほうが有利だ!

 


《吉田たかよし、NHKの『テストの花道』でも、全力解説!》

NHKの『テストの花道』という番組で、勉強の効果を上げる脳科学についてお話させていただきました。

番組をご覧になった方から、本郷赤門前クリニックにお問い合わせを多数いただきました。

ありがとうございます。

テレビで話した内容について、こちらのページで、さらに詳しく解説します! 


机の整理整頓で、勉強の効率が上がる場合と下がる場合がある!


いろんな科目の教科書や問題集を、机の上に乱雑に置きっぱなしにしている受験生って、少なくないですね。

お母さんから「片付けないと、勉強が進まないよ!」と注意されちゃうことがあるはずです。

そんなとき、「僕は、散らかっているほうが、勉強が進むんだ!」と、言い返したくなるものです。

 

では、整理整頓したほうが勉強が進むというお母さんの見解と、乱雑なままのほうが勉強が進むという受験生の見解と、脳医学的にはどちらが正しいのでしょうか?

 

 

実は、部屋の中の環境と、脳機能との関係については、世界中で研究が行われています。

室内を整理整頓した場合に、その影響が脳機能にどのような効果を与えるのかについても、すでに研究で解明されています。

 

 

先に答えをいうと、整理整頓が良いという見解も、乱雑なままでいいという見解も、どちらも半分は正解で、半分は間違いです。

実は、勉強の中身によって、部屋が片付いていたほうが脳機能が高まる場合と、乱雑な部屋のほうが脳機能が高まる場合があるという研究結果が得られているのです。

 

だから、どんな勉強をするかによって、それに脳の働きがフィットした部屋の環境に変えるのがベストなのです!!

 

 


勉強の集中力は、机の整理整頓でアップする!


勉強の集中力を高めるためには、机を整理整頓し、スッキリさせたほうが有利です。

実験を行うと、目に無関係な情報が入ってこないほうが、集中力が高まるというデータが得られています。

 

 

目に、いろんなものの映像が入ってくると、脳は、その都度、情報を認識しなければなりません。

たとえ本人は、そのことを意識していなくても、脳は無意識下でこうした作業に認知機能を振り向けているというデータが得られています。

当然、その分だけ、目の前に勉強に対する集中力は、低下してしまうわけです。

 

 

もし、勉強の集中力が上がらなくて困っているとしたら、まず、机や部屋の整理整頓を行ってください。

たったそれだけのことで、一定の効果が上がります。

  

 


机の上が片付いていれば、勉強のストレスも軽くなる!


机の上を片付けることで、ゴチャゴチャとした余計なモノが目に入ってこなくなると、勉強のストレスが軽くなるという効果も見つかっています。

脳が無駄な情報処理をしなくて済むので、ストレスが生じにくくなるのです。

 

 

大好きな趣味に関する勉強なら、何時間でも楽しく続けられるでしょう。

でも、受験勉強は、ストレスとの戦いです。

粘り強く受験勉強を続けるには、整理整頓が必要でしょう。

 

 

特に、嫌いな科目や苦手科目の勉強をするときは、とりわけストレスが高まります。

こうした科目の勉強に取り組むときには、机の上を重点的に片付けておきましょう。

  


創造力は、乱雑な部屋の環境から生まれる!


一方、整理整頓されていない部屋にいたほうが、脳の認知機能が高まる場合があります。

その代表例が、創造力です。

新たなものを生み出していく能力については、乱雑な環境のほうが有利なのです。

 

 

計算や丸暗記といった脳の単純な作用とは異なり、創造力については、脳が自由闊達に働く必要があります。

そのためには、多様な刺激を脳に与える必要があるのです。

 

 

ゴチャゴチャした部屋の視覚情報は、それ自体は役に立ちません。

しかし、脳に多様な刺激が送られるため、それがキッカケになって、様々な神経回路が興奮し、結果的にアイデアが生み出されるのです。

整理されていない環境が、脳の認知機能に、全面的に悪いというわけではありません。

 

 


応用問題や小論文は、整理されていない机のほうが有利だ!


小論文を書くには、創造力が不可欠です。

シンプルな机の上で、何も出てこないときは、いくら考え込んでいても無理です。

むしろ、乱雑なカオスの環境から、アイデアはわき出てくるのです。

 

 

答えをひねり出すのに創造力が必要な応用問題を解くときも、状況は同じです。

一見、問題と関係がないことでも、いろんなものが目に入ったほうが有利です。

ひょんなことから、解法の糸口を見つけ出すことができます。

  


部屋が片づけられなくなったら、受験ストレスに注意!


ここまで説明してきたように、効率よく勉強を進めるためには、部屋が片付いているほうが良い場合と、そうではない場合があります。

 

しかし、これに関して、受験生を専門に診療している心療内科医として、受験生やその親御様に警鐘を鳴らしたいことがあります。

部屋が散らかってイライラしているのに、整理整頓ができなくなったら、それは、脳が受験ストレスに侵されている危険なSOSサインだということです。

 

 

イライラしているときは、脳の中では情報処理が乱れ、コントロールしにくい状態になっています。

そんな場合は、目に入ってくる余計な情報は遮断したほうが、脳にとっては好ましい状態になります。

だから、脳が健康な状態であれば、無意識のうちに机の整理整頓をしたくなるわけです。

 

 

ところが、受験ストレスがある一定限度を超えると、脳の扁桃体が過剰に刺激を受け、暴走状態になります。

そうすると、散らかっている机を秩序立てて整理整頓することが、できなくなってしまうのです。

 

 

この状態を放置すると、いずれ「受験うつ」に進展してしまう危険性があります。

あるいは、すでに、一歩手前の状態に陥っているのかもしれません。

 

まずは、受験ストレスについて「受験生のストレス症状ガイド Dr.吉田の合格への対処法」というページで詳しく解説していますので、こちらをご一読ください。