受験生の心の危機

親の見守りポイント

心療内科医が解説

自殺を予防するメンタル医学



 ✓  若い世代の脳がメンタル面でデリケートになった影響で受験生の自殺が増加しています。必ず行動を起こす前に自殺衝動を示す兆候が表れますので、親はポイントを絞って見守っていただきたいです。

 

 ✓  落ち込んだ表情はもちろん、怒りの表情や笑顔であっても、自殺衝動を示すポイントがあります。親は受験生の表情を日々確認し、兆候を見逃さないでいただきたいです。

 

 ✓  試験の成績が下がった受験生が「もうダメだ」と口にした場合も、単なる弱音に過ぎないのか、自殺衝動を示しているものなのか、見極めるポイントがあります。

 

 ✓  「トンネル効果(Tunnel-vision)」が生じた場合、ケアレスミスが増加するため、これも自殺衝動を見抜くポイントになります。

 

 


増加する受験生の自殺

防ぐ秘訣は前兆現象を見逃さないこと


「北野誠のズバリ」という番組で、自殺を防ぐために、家族はどんなことに注意したらいいのか、生放送で解説させていただきました。

 

 

最近の若い世代はメンタル面がデリケートで、入試に失敗した受験生を中心に自殺を図るケースが増加しています。

ただし、なんの前兆現象もなく、受験生が突然に自殺を図るということは、まず、あり得ないことです。

必ず、前兆となる何らかのSOSサインが発せられています。

 

ご家族は、それを見逃さないことが、尊い受験生の命を守る上で、とても大切なことです。

 

 

今回は、番組でお話したことを再編集し、親御様は、受験生のどのような点をチェックしてあげればいいのか、見守りのポイントをご紹介します。

受験生の自殺を防ぐため、どなたも今すぐ実行できることばかりです。

 

ぜひ、最後までお読みいただき、大切なお子様の命を守ってあげてください。

 


自殺を防げなかったご家族の無念と悲しさ!


「北野誠のズバリ」は、普段は金曜日の健康相談コーナーを私が担当しているのですが、自殺が相次いでいるという報道を受けて、土曜日のニュースのコーナーで自殺を取り上げることになり、私が解説をさせていただきました。

 

番組では、自殺で失ったという体験談なども伺い、それに対して私が、心療内科医として解説と予防の方法をご紹介さえていただきました。

 

 

愛するご家族の尊い命を自殺で奪われてしまった体験は、筆舌に尽くしがたいものがあります。

番組でも、言葉の端々から、その無念さと悲しさが伝わってきて、自殺を未然に防ぐ方法を知っていただくことの大切さを、いつも以上に感じながら解説させていただきました。

 

 


誤解に満ちた受験生の表情の見極め方!


自殺を防ぐために、ご家族に真っ先にやっていただきたいのが、受験生の表情をしっかり観察することです。

 

「そんなの、言われなくても、わかっている・・・」

そう思われたかもしれませんが、多くの親御様が表情の見極め方に関して勘違いをされています。

 

受験生が自殺を図る場合、表情の変化には、いくつかの意外なパターンがあるのです。

 

 

ガックリと肩を落とし、落ち込んだ表情をしている場合だったら、親御様は、どなたも自殺をするかもしれないと、感じ取ることができるでしょう。

もちろん、この場合も自殺する可能性があるので注意が必要です。

 

 

しかし、受験生の場合、そうではない表情の変化が自殺するSOSサインになっている場合がとても多いのです。

こうした徴候については、多くの親御様が受験生のSOSサインを見逃すことになり、それが悲劇を生み出す要因になっているわけです。

 

 


怒りの表情は自殺の危険な兆候!


受験生が怒った表情をしている場合、多くの親は、望ましい精神状態ではないという認識はあっても、それを自殺と結びつけて考える人は少数派です。

しかし、怒りに満ちた表情も、受験生に限っていうと、自殺の前兆となっている場合が少なくないのです。

 

 

中高年の世代が「うつ病」になると、落ち込んだ表情になることが多いのですが、受験生の若い世代は、様相がかなり異なります。

 

若い世代の脳は、もともとエネルギーが潤沢です。

だから「うつ病」になった場合も、エネルギーが枯渇して落ち込むよりも、エネルギーのコントロールが効かなくなりやすいのです。

その結果、怒りを抑えきれなくなるほうが症状として目立つ・・・ということがよく起こります。

 

 

「うつ病」になると、脳の扁桃体という部分が暴走してしまいます。

これによって、不安と不満を過剰に作り出してしまうのです。

 

不安が全面に出ると、中高年の「うつ病」でよく見られるように、落ち込んだ表情になります。

一方で、受験生の若い脳は、もう一本の不満のほうが全面に出て、怒りを抑えきれなくなることが多いのです。

 

 

怒りと不安は、脳医学的には扁桃体の過剰な反応という点ではパラレルな関係になっているのです。

ですから、怒りの表情も見落とさないでいただきたいのです。

 

 


力のない笑顔も自殺のSOSサイン!


怒りの表情とともに、親御様に見落としてほしくない自殺のSOSサインが笑顔なのです。

 

番組では、ご家族が自殺をされる2週間前から笑顔になり、気持ちが回復してきたと喜んでいた矢先の自殺だったと、生放送でお話いただきました。

 

 

それを受けて私が番組でご紹介したように、自殺を図るかなり前から、「ほほえみうつ」と呼ばれる独特の笑顔が増えるというのは、心療内科医の間ではよく知られていることです。

 

なぜかというと、「うつ状態」に陥ると、ご本人は、そのことを周囲の人に気づかれることがとても辛いのです。

ですから、落ち込んだ気持ちを隠すために、無理して笑顔を装うわけです。

 

ご家族は、笑顔だから大丈夫だと油断しないでください。

 

 


「ほほえみうつ」を見抜くポイント!


番組では、ご家族は「確かに力のない笑顔だと感じた」とお話になっていました。

実際、「ほほえみうつ」に対して、周囲の方が、そのような感想を持つケースはとても多いです。

 

ただし、もっと明確に自殺につながる感情を見極めるためには、目尻を重点的に観察することです。

 

 

口元は自分の意思でコントロールしやすいので、抑うつ状態になっても、口の両サイドの口角は上げることができます。

これに対し、目尻は本心が反映されやすいので、「ほほえみうつ」では下がっていない場合が大半です。

 

また、感情の躍動にあわせて表情が変化するということも起きないので、能面のような全く変化しない薄っぺらい感じの笑顔になるのも特徴です。

 

以上は、「抑うつ笑顔の3兆候(The three signs of a depressive smile )」と呼ばれています。

詳しくは、「笑顔に隠れた自殺衝動」のページで解説していますので、ぜひ、ご一読ください。

 

親御様は、普段からお子さんの表情をよく観察しておいて、わずかな笑顔の変化も見逃さないでいただきたいです。

 


自殺を図る受験生が口にする言葉とは?


さらに、受験生が口にする言葉からも、自殺の前兆となるSOSサインを読み取っていただきたいです。

 

「このままでは入試に落ちてしまう!」

「もうダメだ!」

「人生、おしまいだ!」

 

この3つのフレーズは、自殺を図る受験生が、必ずといっていいほど、よく口にする言葉です。

 

 

ただし、受験生は成績が落ちて気落ちしてしまったら、自殺する気持ちがなくても、こういう言葉をついつい口にしてしまうというのも事実です。

 

では、受験生の弱音にありふれたこうした言葉の中で、親御様が特に注意しなければいけない自殺の衝動を見抜くには、どうしたらいいでしょうか。

 

 


同じ言葉を繰り返すのも危険な兆候!


受験生の単なる弱音なのか…?

それとも、自殺を図る危険な前兆なのか…?

 

そのいずれなのか、受験生の言葉を見極める上で大事なポイントとなるのは、同じ言葉を同じ口調で繰り返していないかということです。

 

 

うつ状態が重くなると、脳は、いろんなことをバランスよく考えるということができなくなります。

その結果、頭の中をよぎった一つの悩みを、何度も何度も、延々と繰り返し考え続けます。

 

これは、メンタル医学で「トンネル効果(Tunnel-vision)」と呼ばれている現象によって巻き起こされるものです。

 


自殺に結びつく「トンネル効果(Tunnel-vision)」とは?


「トンネル効果(Tunnel-vision)」とは、具体的にはどんな現象でしょうか。

 

暗いトンネルに入ると、はるか先の出口の部分しか光が見えませんね。

視野は、とても狭くなります。

 

うつ状態になると、あたかもトンネルの中で視野が狭くなるように、考え方の視野も狭くなります。

だから、時間の経過とともに、あれこれ、いろんなことを考えるのではなく、同じことばかり、延々と考え続けるのです。

 

これが、メンタル医学で「トンネル効果」と呼ばれている現象です。

だから、「もうダメだ」、「もうダメだ」、「もうダメだ」、「もうダメだ」・・・と、何度も繰り返す場合は、単なる弱音ではなく、自殺のSOSサインだと受け取っていただきたいのです。

 

 

受験生の脳がトンネル効果を起こした場合、ケアレスミスが増えるということも明らかになっています。

視野が狭くなると思い込みが激しくなり、その結果として、試験を受けるとケアレスミスをしてしまうわけです。

 

ですから、逆に言えば、ケアレスミスが急激に増加した場合は、やはり、自殺の前兆現象の可能性があると考え、慎重に見守ってあげる必要があります。

 

 

トンネル効果でケアレスミスが増える脳のメカニズムや、その対策についての詳しい解説は、「受験生のケアレスミス解消!テストでの点数アップ方法とは?脳科学が解明する5つの原因と14の対策」のページで解説しています。

 

ごく簡単なことを実践するだけで、試験の成績を上げることができますので、ぜひ、受験生やその親御様には、ご一読していただきたいです。

 

 

「受験生のケアレスミス解消!脳科学が解明する14の対策」

⇒クリック」


自殺のSOSサインがあれば、まず相談!


ご紹介した自殺のSOSサインが出ていたら、決して放置はしないでいただきたいです。

 

自殺を図って、仮にそのまま命を落とすことはなくても、その後遺症に長く苦しむことになる人は少なくありません。

すぐに対策を取らなかったことを後悔されている親御様は、決して少なくありません。

 

 

お子さんをしっかりとケアするとともに、医療機関で診察を受けさせるのが良いのですが、どうしたらいいのかわからなかったら、お住まいの都道府県や市町村が解説している相談窓口にご相談されるのもよいでしょう。

 

 

また、受験生の方が、どうしても志望校に合格したいという意思が強い場合は、私のクリニックで「磁気刺激治療(受験うつ)早期合格コース」の中で、「受験うつ」の治療や自殺の予防とともに、志望校への合格を両立させるユニークな診療プログラムを設けています。

 

 


自殺衝動と成績不振の原因を読み解く

受験に特化した光トポグラフィー検査


受験生の自殺衝動と成績不振の原因を見極めるために、ぜひとも受けていただきたいのが、受験に特化した光トポグラフィー検査です。

脳の状態を可視化することで、脳で何が起きているから自殺衝動が生じやすくなっているのか、その原因となっている成績不振が脳のどのような不調で起きているのか、科学的に突き止めることができます。

さらに、成績を改善させる脳医学的な方法も明らかになるので、受験生が志望校合格を実現するには、とても役立つ検査です。

  

受験に特化した光トポグラフィー検査については、こちらのページをご参照ください。

 


脳の状態を最新医学で最適化!

磁気刺激治療・早期合格コース


受験に特化した光トポグラフィー検査の結果、「受験うつ」「受験無気力症候群」「受験燃え尽き症候群」などが見つかった場合は、磁気のパルスで脳の働きを高める「磁気刺激治療」を行うと、脳内の扁桃体と呼ばれる部分の暴走を抑えることで、学力を早期に回復さえることが可能です。

 

さらに、磁気のパルスの作用で、思考力を働かせるのに不可欠な脳内のワーキングメモリーという機能が高まるため、試験を受けた時の得点能力をアップさせることができます。

 

 

実際、弊院の「磁気刺激治療(受験うつ)早期合格コース」では、メンタル面の不調に苦しむ多くの受験生が入試で素晴らしい結果を残してくれています。

メンタル面でデリケートな受験生の方は、ぜひ、万全の準備をして入試に臨んでください。

 

「磁気刺激治療(受験うつ)早期合格コース」については、以下のフォームからお気軽にご案内を請求していただきたいと思います。

 


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