合格に直結する睡眠の極意!
不眠や過眠に陥った場合は専門の治療が必要ですが、そうではない場合も、ちょっとした工夫で、睡眠の質をさらに高める方法が数多くあります。
これらを上手に実践すれば、合格を大きく引き寄せることができます。
そこで、当院では、受験生の実情に合わせて最適な睡眠の方法を指導しています。
そんな中から、具体例として「合格昼寝」をご紹介しましょう。
脳が受験勉強に最適な状態になるように一工夫した昼寝なので、「合格昼寝」と名付けました。
あくまでも睡眠障害の症状が出ていない受験生に対するアドバイスであり、受験うつ病などの具体的な症状が出ている場合は、こうした対処では解決しないので、誤解のないように注意してください。
吉田たかよし講演会「合格を勝ち取る最強習慣!」
一部を抜粋してご紹介します。
20分の「合格昼寝」(吉田たかよし講演会より抜粋)
夜、十分に睡眠をとれば疲労もリセットされ、脳は勉強に集中できるようになります。
しかし、それが丸一日続くかといえば、残念ながらそうではありません。
午前6時に起床した場合、思考力を生み出す脳の前頭前野は、その機能のピークが早くも午前10時ごろにやってきます。
それから後はどんどん落ち始め、夕方にはかなり機能が低下した状態になっているのです。
受験勉強の効率を上げるには、どこかの時点で脳をふたたび活性化させる必要があります。
そのために効果的なのが昼寝です。
昼食をとったあと、短時間の昼寝をすることで、前頭前野を中心に大脳に休息を与え、機能をアップさせることができるのです。
ただ、これもまた、なんでもかんでも寝ればいい、というものではありません。
やり方を間違えると、昼寝は逆効果になってしまうこともあるのです。
そこで私は、受験生にとってもっとも効果的な昼寝の方法を「合格昼寝」としてまとめました。
まず、昼寝の時間は20分間以内にすること。
間違っても、30分以上は眠ってはいけません。
深い睡眠に入ってしまうため、起きてからも頭がボーっとして集中できません。
さらには夜寝付けなくなって、規則的な睡眠の妨げにもなりかねません。
そんなことにならないよう、20分という時間が昼寝にはベストなのです。
寝る前にコーヒーをがぶ飲みすることも、「合格昼寝」にとっては大切な習慣です。
カフェインが眠気を覚ますのに効果的なのはご存知でしょう。
これは、摂取してから小腸で吸収され、血液と一緒に全身をぐるぐると回って、脳を覚醒させるまで、約20分から30分ほどかかるのです。
昼寝の前に飲んでおけば、ちょうどよい目覚まし代わりになってくれるわけです。
それでも、「20分では起きられないかもしれない」と不安なら、携帯電話のアラームをバイブレーションにしてセットしておくといいでしょう。
ただ、今まで多くの受験生にこの方法を勧めてきて、「昼寝で寝過ごした」という悩みはほとんど聞きません。
昼間ですから、意外にちゃんと目は覚めるものです。
逆に現実には、「昼間は落ち着かなくて眠れない」という悩みのほうがはるかに多いのです。
その場合は、原因によっていくつかの対処法があります
まず、「周囲の音が気になって眠れない」という場合。
受験生が昼寝をしようと思ったら、休日でもない限り、自宅ではない場所で休むことになります。
学生ならば学校ですし、社会人ならば外出先のどこかでしょう。
そういう場所では、まわりの人間のしゃべり声や、外の騒音、音楽など、さまざまな雑音が耳に入って、眠りにくいものです。
そんなときは、聴覚を「マスキング」することが効果的です。
「マスキング」とは、雑音がある場合、より大きな音を聴くことで、それが脳に入りにくくなる効果を言います。
この場合は、ヘッドフォンやイヤフォンで騒音を遮断した上で、何か騒音にはならない別の音を聴けばいいのです。
ただし、好きだからといってロックなどを聴いてしまうと、むしろそちらに気持ちが集中して覚醒してしまうので逆効果です。
お勧めなのは、波の音や風の音といった自然の音です。
次に、「昼寝に適した場所がない」という場合。
学生が教室で昼寝しようとしても、クラスメイトは騒がしいし、ときには寝顔にいたずらされることもあるので、おちおち寝てはいられません。
また社会人なら、会社で寝るわけにはいきませんから、場所探しはもっと深刻な問題でしょう。
私は、学生には図書館をお勧めします。
静かですし、司書さんもいますから、友だちにちょっかいを出される心配もないでしょう。
社会人ならば、漫画喫茶がいいと思います。
最近は個室になっている漫画喫茶が多いので、公園などのように周囲の目を気にする必要もないですし、薄暗くて静かなので眠りやすい環境だともいえます。
それでも、「寝つきが悪くて、20分では眠れない」という人もいるでしょう。
そんな人は、無理に寝ようとしなくても結構。
ただ目を閉じているだけでも、効果は十分にあります。
じっと目を閉じて座っていると、それだけで大脳はかなりの休息効果を得ることができます。
実際、脳波を測定すると、健康であれば目を閉じただけでα波が出てきます。
また、しばらく目を閉じているとθ波が出てくることもあり、本人が気づいていないだけで、実はうつらうつらしているのと同じ状態になっていることも少なくないのです。
本人は眠った感覚がなくても、20分後には脳がかなりすっきりした感覚を取り戻せているはずです。
吉田たかよし講演会「合格を勝ち取る最強習慣!」
一部を抜粋してご紹介しました。