合格できる目標の立て方  

「遂行目標」と「熟達目標」の脳への効果


 

 ✓  受験生が志望校合格を勝ち取るための目標の建て方には、「遂行目標」と「熟達目標」の二つに大別されます。このどちらで勉強するかで合否に大きな格差が生じまる。

 

 ✓  「遂行目標」にこだわると、脳内でストレスが生じるため、受験の合格率を下げる可能性があるということがメンタル医学で実証されています。

 

 ✓  一方、「熟達目標」を意識して勉強すると、自己成長を実感できるため、受験ストレスが生じにくく、モチベーションを高い状態で維持する効果が生じます。

 

 ✓  まず、親自身が「熟達目標」を重視する考え方に変えると、受験生のメンタルにポジティブな影響を与えることで合格率が上がります。

 

  

 


入試の合否を分ける「遂行目標」と「熟達目標」


多くの受験生が目標を立てて勉強をしていると思います。

目標は、メンタル医学の観点では、「遂行目標」と「熟達目標」の二つに大別されます。

 

ご自分では意識していないと思いますが、多くの受験生は、このうち「遂行目標」に従って勉強を進めています。

これが、脳内でストレスを生じ、粘り強く受験勉強を進めることを阻害する要因になっていることがわかってきたのです。

 

さらに、「遂行目標」に強くこだわると、「受験うつ」「受験燃え尽き症候群」「試験恐怖症」などのメンタルトラブルを誘発してしまいます。

実は、多くの受験生が当たり前のように行っている「遂行目標」で受験勉強を頑張るということが、とても危険なことであるうえに、そもそも、本人の意図とは裏腹に、長い目で見ると成績アップにも役立っていないことが多いのです。

 

それに対し、「熟達目標」は、ごく一部の受験生しか意識していないのが実情ですが、こちらは脳や心を守る効果があります。

さらに、受験勉強というロングランの努力を継続させる効果があるので、志望校合格を実現させるうえでも「熟達目標」で勉強することに軍配が上がります。

 

 

このように明暗を分ける「遂行目標」と「熟達目標」とは、具体的には、どのようなものでしょうか?

 

さらに、どのようにして「遂行目標」から「熟達目標」に切り替えることができるのでしょうか?

 

受験生を専門に診療している心療内科医の経験と専門知識をもとに、このポイントを詳しく解説します。

 

 


「遂行目標」と「熟達目標」の勉強法


入試という大舞台で、受験生が合格を勝ち取るためには、どのような目標の建て方が有効なのでしょうか。

 

志望校への合格を勝ち取る上で、大きな障害となる「遂行目標」と、逆に大きな助けとなる「熟達目標」という、2つの勉強に関する目標の建て方があります。

 

その効果と悪影響について紹介します。

 

 

「遂行目標」とは、他人からの高い評価や自己評価を獲得することを目的にして、練習や勉強に取り組むことを指します。

 

例えば、偏差値の高い大学に合格することを目標として、受験勉強に取り組むことがこれに当たります。

 

 

一方、「熟達目標」とは、自分自身の能力を着実に伸ばし、自分を成長させることを目的にして取り組む勉強法です。

 

つまり、偏差値の高い大学に合格することよりも、自分自身が勉強することで能力を伸ばすことにフォーカスを置く方法です。

 

 

 


遂行目標 vs 熟達目標:受験ストレスと合格率の関係


 

 

一見すると、「遂行目標」の方が合格率が高いように思えます。

 

しかし、実際には、「遂行目標」を追い求めることが、受験ストレスを引き起こし、逆に合格率を下げる可能性があるのです。

 

心理学的にも、「遂行目標」を追求することが、ストレスを増大させ、脳がストレスに脆弱な体質になることが実証されています。

 

 

もちろん、「遂行目標」にこだわって勉強することで合格を勝ち取る受験生もいますが、受験生の多くがストレスに苦しんで、最悪の場合は受験うつ病に罹患してしまうこともあります。

 

それに対して、「熟達目標」は、自己成長を目的に取り組むため、受験ストレスを軽減することができます。

 

自己成長を目的としているため、自分自身の成長を実感することができ、モチベーションが維持できます。

 

 


遂行目標と熟達目標の違いによるストレスの原因と軽減方法


 では、なぜ遂行目標に縛られることがストレスを増大させ、熟達目標に取り組むことがストレスを軽減させるのでしょうか?

 

それは、遂行目標は一時的な成功に焦点を当てているのに対し、熟達目標は長期的な成長に焦点を当てているからです。

 

 

遂行目標に縛られることがストレスを増大させる原因は、自分の能力を高く評価してもらうことが目的であり、その目的を達成するためには、他人の評価に左右されてしまうことが多いためです。

 

そのため、自分の実力に関係なく、他人からの評価に縛られることで、達成できない場合には、ストレスが増大します。

 

 

一方、熟達目標に取り組むことがストレスを軽減させるのは、目的が自分自身の成長であり、自分の能力を着実に伸ばすことが目的であるため、自分自身の実力や成長に関心を持ち、自分自身が主体となって取り組めるためです。

 

自分自身の成長に注目することで、他人の評価に縛られることなく、自分の成長に関心を持ち、自己評価を高めることができます。

 

 

また、熟達目標に取り組むことで、失敗を受け入れることができ、自己肯定感が高まるため、ストレスを軽減することができます。

 

自分の成長に焦点を置くことで、失敗を成長の機会として捉え、新たな知識やスキルを身につけることができます。

 

 

以上のように、遂行目標と熟達目標の目的や取り組み方が異なるため、ストレスの原因や軽減方法も異なることがわかります。

 


受験生の親の「熟達目標」の重要性


さらに、受験生の親御様が自分の価値観を「熟達目標」に切り替えることも重要です。

 

受験生は、親の言動や態度に影響を受けるため、親が目標を達成することが重要視されすぎていると、強迫観念が生じやすくなります。

 

親が、継続的に努力し、成長することが大切であるという考え方を持つことで、受験生も強迫観念を克服するすることが容易になるのです。

 

 

受験生は、親からの評価に大きく左右される存在です。

 

親が高い偏差値の学校に合格することを期待し、そのために受験生に遂行目標を課すことが多いです。

 

しかし、その期待やプレッシャーによって受験生はストレスを感じ、精神的に不安定になることがあります。

 

 

 

 


親の熟達目標が受験生に与える影響とは?


ここで重要なのが、親が自分自身の遂行目標についてこだわりを捨てることです。

 

親が遂行目標に囚われることなく、自分自身の成長を追求する「熟達目標」に取り組むことで、受験生にもその影響が及びます。

 

 

親が熟達目標に取り組むことで、受験生に「成長することが大切だ」という価値観が浸透し、受験生自身が遂行目標から解放され、熟達目標に切り替えることができます。

 

その結果、受験ストレスが軽減され、脳がストレスに負けないレジリエンスが高まることが多くの研究で実証されています。

 

また、親が普段の日常会話で「熟達目標」を尊ぶ精神を持ち、受験生にもそれを伝えることで、より効果的なメンタルサポートができるでしょう。

 

親が自己成長を追求し、熟達目標に取り組むことは、受験生のメンタル強化につながります。

 

親が遂行目標から解放され、自己成長を重視することで、受験生にもその価値観が受け継がれるわけです。

 

 


親が熟達目標を理解することの重要性


しかし、親御様自身が「熟達目標」に切り替えることは簡単なことではありません。

 

特に、親御様自身が学歴社会のプレッシャーにさらされている場合、そのプレッシャーはお子さんにも伝染してしまい、遂行目標に縛られることにつながることがあります。

 

 

そのため、まずは自分自身が「熟達目標」について理解することが大切です。

 

自分自身が成長し、自己実現を追求することが重要であることを自覚し、自分自身が遂行目標に縛られないようにすることが必要です。

 

 

また、親御様自身が「熟達目標」について理解していることが、お子さんにとって大きな影響を与えます。

 

例えば、親御様が「熟達目標」を追求することで、自分自身が成長することを実感し、お子さんにその姿勢を見せることで、お子さんも同じような姿勢を身につけることができます。

 

 


「熟達目標」を尊ぶ声かけの重要性


さらに、日常会話においても、「熟達目標」を尊ぶ精神を元に、お子さんに声掛けをすることが大切です。

 

例えば、お子さんが勉強に苦戦しているときに、「あなたは今、どのようなことを学んでいるの? どのようなことが分かったのか、自分で考えてみてね」というような質問を投げかけることが有効です。

 

 

このような問いかけは、「熟達目標」に基づいたものであり、お子さんの成長を促すことができます。

 

また、お子さんが自分で考え、自分で答えを導き出すことで、自己肯定感が高まり、自己成長への意欲が生まれることも期待できます。

 

以上のように、「遂行目標」から「熟達目標」への転換は、親御様自身が先頭に立って取り組むことが不可欠です。

 

そして、お子さんが自分自身の成長に向き合い、自分自身の成長に責任を持つようになることが、一見、回り道に思えるかもしれませんが、現実には志望校への合格の最短距離となるのです。

 


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