子どもの朝寝坊を
親が直す方法
睡眠医学の早起きの法則とは?
✓ 現代人の子どもが朝起きられない原因は、夜のスマホなどの光に対して、朝の太陽光の刺激が相対的に小さくなり、体内時計が攪乱されていることにあります。
✓ 朝寝坊を放置すると、やがて昼夜が逆転してしまうこともあり、特に受験生はメンタル面に悪影響が生じ、「受験うつ」や「受験無気力症候群」を発症することもあります。
✓ ご自宅でお子さんの朝寝坊を直すには、お子さんを起こす30分前から、照明器具の角度を変えてお子さんの目に光を当てることが効果的です。
✓ 照明は、まぶた越しに網膜まで届き、「光感受性網膜神経節細胞」を刺激することで体内時計に起きる準備を始めさせる効果があります。
今朝、あなたは、あるいは、あなたのお子さんは、心地よく目覚めることができたでしょうか?
現代人の子どもは、朝、起きられなくなることがとても多いというのが、私たち心療内科医の間でも問題視されています。
大きな原因となっているのが、現代人のライフスタイルでは、朝、目に入ってくる太陽の光が相対的に少なくなっているということです。
それに対し、本来、強い光が目にはいけない夜の時間帯に、ゲームやスマホで目に入る光が増加しています。
この両者のアンバランスによって、脳の視床下部にある視交叉上核という体内時計が撹乱されています。
それによって、朝、起きられなくなってしまうわけです。
こうした状態を放置しておくと、朝寝坊がどんどん激しくなって、行き着くところ、昼夜が逆転してしまうことも、決して少なくないのです。
特に、近年、受験生のメンタルはより脆弱になっており、こうした傾向はより顕著になっています。
もちろん、これでは、学校に登校できるはずはありません。
さらに悪化すると、やがて外出できなくなり、ひどい場合は、自室から出ることもできなくなることもあります。
私自身は、クリニックに通院できない子どもたちを対象に訪問カウンセリングも行っていますが、問診すると、そのような経過をたどっているケースがとても多いのです。
子どもの朝寝坊を甘く考えるのは、とっても危険です。
親御様は決して放置してはいけません。
そこで、ぜひ、明日の朝から試していただきたいのは、お子さんを起こす30分前から、照明をお子さんの目に当てるということです。
もちろん、カーテンを開けて、部屋を明るくしてほしいのですが、体内時計が撹乱されている場合は、それだけでは目覚めてくれない子どもが多いのです。
だから、外から入ってくる朝の光に追加する形で、照明をお子さんの目に当てていただく必要があるわけです。
もちろん、お子さんは寝ているのですから、まぶたは閉じています。
でも、光は、まぶた越しに目の網膜まで届き、そこにある「光感受性 網膜 神経節細胞」を刺激してくれます。
その作用で体内時計に起きる準備を始めさせるわけです。
子供のまぶたに照明を当てるなんて、なんだか不自然なことをするような印象を持たれたかもしれません。
ですが、もともと人類は、このようにして、夜明け前の青白い光がまぶた越しに網膜にとどくことによって、目を覚ましていたのです。
それと同じことを、照明器具を使ってお子さんにしてあげるということです。
また、睡眠相後退症候群といった状態になった方を対象に、病院では、目に光を当てる治療を実際に行っています。
使用するのは、治療用の専門の照明器具ですが、高出力で、ものすごく明るいということを除けば、普通の照明器具と本質的には同じです。
照明器具で網膜を刺激するというのは、れっきとした医療行為でもあるのです
では、こうした効果が高いのは、どのような色の光でしょうか?
脳の視交叉上核に働きかけて目覚めさせる効果が高いのは、波長の短い青白い光です。
なぜかというと、夜明け前の光の波長と同じなので、より光感受性網膜神経節細胞が反応しやすいからです。
蛍光灯でもLEDライトでも、波長の短い昼光色のライトを選びましょう。
もちろん、ご家庭でも、光の強さは高出力のものがベターです。
うまく照明器具の角度を調節して、子どものまぶたに当たるようにしてあげましょう
最近では、朝、光で目覚めるための専用の照明器具も販売されています。
実は、私のクリニックにも推薦コメントを寄せてほしいという依頼と一緒に、商品が複数のメーカーから来ています。
時間になると自動的に明かりのスイッチが入る仕組みで、試しに使ってみると、きちんと機能は果たしています。
これなら、一人暮らしの人も、光で目覚めることができます。
ただ、ぶっちゃけ、機能の割には値段がお高く、コストパフォーマンスを考えると、どうかな・・・と感じるものばかりで、今のところ推薦は丁重にお断りしております。
むしろ、安い照明器具をたくさん買ってきて、いろんな方向から顔の部分を照らした方が、目覚めさせる効果は大きいです。
自動的にスイッチをオンになるようにしたければ、時間がきたら電源が入るタイマーを買ってきて、これとと組み合わせれば、安上がりで出来ちゃいます。
こうして、朝、しっかり光で脳を刺激する習慣を身に着け、さらに夜は人工的な光をできるだけ入れないように心がければ、かなりの朝寝坊が治ります。
ただ、睡眠相後退症候群のような状態になっている場合は、こうした対策だけでは不十分です。
実際、こうした状態に陥っているのに見過ごされ、こんなの、怠惰なために朝寝坊をしているだけだ…などと誤解されて、それで人生を棒に振ってしまう子どもたちも多いんです。
私のクリニックでは、不登校を治す診療プログラムも設けていますが、検査を行うと、睡眠相後退症候群が見つかることが、少なくありません。
特に、二次性の睡眠相後退症候群は、発症例が多いのに、あまり知られておらず、対策が遅れがちです。
こちらについては「睡眠相後退症候群(不登校)Delayed Sleep Phase Syndrome」のページで詳しく解説しています。
お心当たりのある方は、必ず、以下のホームページの解説をご参照ください
これを見極めるために、ぜひとも受けていただきたいのが、受験に特化した光トポグラフィー検査です。
脳の状態を可視化することで、脳で何が起きているからマンネリ化や倦怠感が生じているのか、科学的に突き止めることができます。
さらに、成績を改善させる脳医学的な方法も明らかになるので、受験生が志望校合格を実現するには、とても役立つ検査です。
受験に特化した光トポグラフィー検査については、こちらのページをご参照ください。
受験に特化した光トポグラフィー検査の結果、「受験うつ」「受験無気力症候群」「受験燃え尽き症候群」などが見つかった場合は、磁気のパルスで脳の働きを高める「磁気刺激治療」を行うと、脳内の扁桃体と呼ばれる部分の暴走を抑えることで、学力を早期に回復さえることが可能です。
さらに、磁気のパルスの作用で、思考力を働かせるのに不可欠な脳内のワーキングメモリーという機能が高まるため、試験を受けた時の得点能力をアップさせることができます。
実際、弊院の「磁気刺激治療(受験うつ)早期合格コース」では、メンタル面の不調に苦しむ多くの受験生が入試で素晴らしい結果を残してくれています。
メンタル面でデリケートな受験生の方は、ぜひ、万全の準備をして入試に臨んでください。
「磁気刺激治療(受験うつ)早期合格コース」については、以下のフォームからお気軽にご案内を請求していただきたいと思います。
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