お詫びと反省文(HPの修正)


 

TMS(磁気刺激治療)と認知機能との関係について、こちらのページの以下に記載したコロンビア大学などの研究論文を解説した私の文章には、誤解を招きかねない不適切な表記がありました。

 

 

下記の研究論文に関して、研究論文を解説した文章それ自体には医学的な間違いはないのですが、この論文が受験に役立つことを証明した実験であるかのような印象を与える紹介をしてしまっていました。

これは明らかな飛躍で、深く反省しています。

 

 

こちらのページは、私が東京理科大学で客員教授として論文を輪読する授業を担当したときに、大学院生の教育用に扱った研究論文を、軽い気持ちでクリニックのホームページにも掲載してしまっていたものです。

 

当クリニックのホームページは、無気力や不眠、スマホ依存など、受験生の様々なメンタルトラブルに対して解説記事をアップしており、ページ数は100ページを超えっています。

検索数が上位20のページについては、定期的にアップデートをしていますが、こちらのページは検索数が少なく、10年ほど放置したままで、ご指摘を受けるまではアップしたことも忘れてしまっていました。

 

 

このページの記事を改めて読み返すと、文章それ自体に誤りはなくても、確かに全体を通して読むと、読まれた方を誤認させる文脈になっているのは間違いありません。

 

この論文で扱われている実験で行われたTMS(磁気刺激療)は、うつ状態の治療に用いられえているTMS(磁気刺激療)とは磁気のパルスを脳に当てる条件がまったく異なります。

したがって、この実験の結果をもとに治療としての磁気刺激治療の効果を論評することは、まったく不適切です。

 

 

もちろん、掲載したときも、こうしたことは十分に理解しており、直接的にはそのような記述はしていません。

大学院生に解説した内容を、一般の方向けにわかりやすいように噛み砕いて作文したものです。

 

しかし、その後に、TMS(磁気刺激療)という同じ用語だというだけで、医学的な内容は全く異なる治療としての磁気刺激療法の紹介文を掲載してしまいました。

このため、普通に読むと、この実験が治療としての磁気刺激療法と関連があるかのようなミスリードを招く文章になってしまっていました。

深くお詫びし、訂正いたします。

 

 

受験生を最新の脳医学で合格させるという分野においては、第一人者を自認して診療活動をしてきました。

そんな心療内科医として、とても恥ずかしく、深く反省しております。

 

 


TMS(磁気刺激治療)と認知機能との関係


 

繰り返しになりますが、コロンビア大学などの実験と治療としてのTMS(磁気刺激治療)の効果は、まったく異なることです。

 

単にこのページを閉鎖することも考えましたが、それでは逆に、TMS(磁気刺激治療)が受験生の認知機能の改善に効果がないのではないかという新たな誤認を生むことも懸念されます。

実際、ホームページの記載の問題点をご指摘をくださった方はそのように誤認させていて、私が丁寧に説明をして差し上げると、「そういうことでしたか!」と納得されていました。

 

そこで、私自身、反省すべきは猛反省したうえで、どこまでが正しく、どこから先が間違いなのか、あるいは、どの点は不適切で、どの点までは適切なのか、整理してお伝えしたいと思います。

 

 

ここで、TMS(磁気刺激治療)と認知機能の関係を整理しておきたいと思います。

 

・うつ状態の脳に対しTMSは一定の効果が期待できる ⇒ 医学的に正しい

・うつ状態が回復することによって脳の認知機能も回復傾向がある ⇒ 医学的に正しい

 

実際、弊院でも多くの受験生がTMSにより、うつ状態の回復に伴って脳の働きも回復し、記憶力・集中力・思考力が高まっています。

これによって「合格しました」という嬉しい知らせが届くのが、私の何よりの幸せです。

 

 

ただし、以下でご紹介したコロンビア大学などの研究論文は、こういった目的で実験が行われたものではなく、脳の各領域に磁気のパルスが当たることによる一過性の影響を調べた実験です。

 

この論文に限らず、こうした効果を実証した研究論文は他にもいくつか出ていますが、そもそも一過性の影響を調べた研究ですので、効果の持続時間は決して長くはありません。

ですから、この実験結果をもって入試に役立つということは、医学的にまったく不適切です。

 

この論文を解説した後で、同じページでの中で弊院の「磁気刺激治療(受験うつ)早期合格コース」をおすすめしたのは明らかにミスリードにつながることで、深く反省しております。

 

 

 


TMSを指示する立場からの反論


 

ただし、TMSの効果に対して認知機能の改善はごく短い時間に過ぎないという指摘は、これはこれで誤解を生む表現であり、こちらもミスリードにつながるため不適切と言わざるを得ません。

 

うつ状態の回復のために行うTMSは、短期的な影響を調べる実験とはまったく異なり、磁気のパルスによって脳が神経回路を育てていく「脳の可塑性」という仕組みを利用したものです。

こちらは、脳の神経回路自体が育っていくため、効果は長く続きます。

 

 

先ほど述べましたように、もう一度整理しますと、 

 

・うつ状態の脳に対しTMSは一定の効果が期待できる ⇒ 医学的に正しい

・うつ状態が回復することによって脳の認知機能も回復傾向がある ⇒ 医学的に正しい

しかし、一過性の効果を調べた研究では、ごく短い時間しか効果は持続しない ⇒ 医学的に正しい

 

 

これに対して、「TMSによる認知機能の改善はごく短い時間しか効果は持続しない」と表現すると、その文言自体は、ある意味、正しいのかもしれませんが、一般の方は「なんだ!TMSは受験に効果がないんだ」と誤解されるはずです。

 

 

これは、インフルエンザとタミフルの関係に置き換えれば、わかりやすいと思います。

 

・健常者がタミフルを飲んでも、薬理作用には直接の解熱効果はない ⇒ 医学的に正しい

・インフルエンザに感染した患者がタミフルを飲むと、インフルエンザが早期に治って結果的に熱が下がる ⇒ 医学的に正しい

 

以上について、インフルエンザで発熱して苦しんでいる患者様に、「医学的には、タミフルには解熱効果がない」という表現をすると、薬理学的には正しい表現であっても、「なんだ!タミフルを飲んでも意味がないんだ」とミスリードされるでしょう。

 

TMSと認知機能も、これと同様の関係性になっているわけです。

 


ホームページの表記の修正


以上を勘案し、不適切な表記があったこのページに関して、問題のあった文章を単に消去するのではなく、赤字を入れて修正し、さらに、注釈を加えることにしました。

修正前の文章のどこに問題があったのか、さらにTMS(磁気刺激治療)には、どこまでは効果が認められ、どこから先は未解明の領域なのかについても考慮し、注釈を付けることとしました。

 

 

今回、書き加えた修正や注釈はすべて赤字にしております。

なお、太字ブルーの文字は、もともとそうなっていた部分です。

 

以下、私がかなり以前に執筆してこのページに掲載していた「 磁気刺激が認知機能に及ぼす効果」のコラム記事です。

 

 


磁気刺激が認知機能に及ぼす効果!


脳機能が高まる驚きの研究とは?


◆脳機能が高まる驚きの研究とは?

脳に磁気刺激を行えば、ワーキングメモリと呼ばれる機能が高まることを実証した研究が

発表され、脳機能を扱う医師や研究者の間で注目を集めています。

 

発表したのは、 米国コロンビア大学ニューヨーク州精神医学研究所

脳科学の研究に取り組んでいるブルース・ルーバー博士らのグループです。

 

 

ワーキングメモリとは、「心の黒板」とも呼ばれ、頭のなかで情報を操作しながら

思考するときに中核をなす脳機能です。

実際、私たちの脳は、数式を解くときも、文章を読み取るときも、

あれこれと問題の解き方を考えるときも、ワーキングメモリの機能を使います。

 

 

 

 

だから、試験で良い点数をとるには、ワーキングメモリをアップさせることが

不可欠だといえます。

その機能が、脳に磁気刺激を与えることにより高まることが実験データとして得られたのです。

 

 

(注:この実験データが受験に有利になることを示すと誤認させる表記で、不適切です。お詫びして訂正します)

 

複数の実験が行なわれていますが、ここでは、そのうちの一つのデータをご紹介しましょう。

グラフを見ながら、以下の説明を読み進めてください。

◆ワーキングメモリテスト

磁気刺激は、脳に磁気のパルスを当てることで行われます。

高校で物理を習った人なら、

「ファラデーの電磁誘導」

を覚えているかもしれません。

磁場が変動すると、垂直方向に電場が生じるという現象です。

脳は神経細胞が電気的な刺激を伝え合うことで機能するものなので、これにより機能が活発になるわけです。

 

まず、左のグラフから説明しましょう。

 

グラフの下に、

1Hz、5Hz、20Hz

と書かれていますが、これは1秒間に磁気刺激を何度与えたかということを意味しています。

1秒間に1回なら1Hz、1秒間に5回なら5Hzということです。

 

グラフの左上に書かれている「Active」とは、実際に脳に磁気刺激をしことを意味します。

一方「Sham」とは「擬似の」という意味で、被験者に対して磁気刺激をしているふりをしており、実際には脳には磁気のパルスは当てられていません。

単なる気分の問題で脳機能が高まることも多いので、本当に磁気刺激の効果であることを証明するには、「Active」と「Sham」を比較する必要があるわけです。

 

被験者にはワーキングメモリを使うテストを受けていただき、どのくらいの時間でできるか、

速さを測定しました。

もちろん、速くできた場合はワーキングメモリの機能が高く、時間がかかった場合は、

ワーキングメモリの機能が低下しているということです。

 

グラフを見ると、1Hzと20Hzについては、「Active」と「Sham」は、ほとんど同水準です。

つまり、磁気刺激の効果は出なかったということです。

(注:この研究の説明の後で、治療としての磁気刺激治療のご案内のリンクを貼ってしてしまいました。これはミスリードにつながり、医学的に不適切です。お詫びして訂正いたします)

 

劇的な機能アップ!

 

 (注:これは用語に対する主観的な印象の問題ですが、改めて読み直すと、劇的という表現も適切ではないと感じます。こちらも、お詫びして訂正いたします)

 

しかし、5Hzの場合は、「Active」が「Sham」より、かなり速くなっていることが

お分かりになると思います。

論文には正確な数値が明記されており、「Active」では平均491、「Sham」では平均542で、

大幅な格差が生じています。

つまり、脳への5Hzの磁気刺激によって劇的なワーキングメモリの機能のアップが

起きたということを示しているわけです。

 

以上がグラフの説明です。

一方、右のグラフは、同様の実験をテストの内容を変えて行った場合のデータです。

 

ワーキングメモリには、テストの内容量によって結果が変わるという

「Set Size Effect」という効果が見つかっています。

このため、異なる内容量でも同じ結果が出ないと、必ずしも磁気刺激によって

ワーキングメモリの機能がアップしたとはいえないのです。

 

右のグラフを見ると、やはり1Hzと20Hzについては、

「Active」と「Sham」がほとんど同水準で、

5Hzの場合のみ「Active」が「Sham」より、かなり速くなっています。

論文に掲載されている正確な数値をご紹介しておくと、「Active」では平均626、

「Sham」では平均702で、こちらも大幅な格差だといえます。

以上から、5Hzの磁気刺激が脳のワーキングメモリを向上させる効果は、

「Set Size Effect」にかかわらず幅広く起こる現象だといえるわけです。

 

 

得点がアップすることも!?

 

(クエスチョンマークをつけることで安易に飛躍した見出しを立ててしまいました。うつ状態が磁気刺激治療で回復することで得点をアップさせる効果が期待できるということには確信を持っていますが、この研究の説明の後で、以下の治療としての磁気刺激治療の効果の説明をしてしまったことはミスリードにつながり不適切です。お詫びして訂正いたします)

 

入学試験は時間との戦いです。

中国で昔、行なわれていた科挙のように、何日間も泊まりがけで問題を解く試験とは異なり、

現在の入試は、60分、あるいは90分といった制限時間内で、

どれだけ解けるかで点数が決まります。

この点では、脳が速く情報処理を行えるようになるだけでも、

合格を勝ち取る上で大きな助けになります。

 

ただし、ワーキングメモリへの効果は、これだけにとどまりません。

 

英語や国語の課題文を読み解くときも、数学の難問の解き方を考えるときも、

脳内ではワーキングメモリの機能を無数に繰り返しています。

このスピードが遅いと、単に解答が遅くなるだけでなく、そもそも文章が読み取れない、

解き方がわからないということになってしまうのです。

 

実際、私自身は、受験うつになった患者さんを毎日のように診断していますが、

ほぼすべての受験生が、ワーキングメモリ機能の低下で、

問題が壊滅的に解けなくなっています。

そのような方に受験うつを治す目的で

磁気刺激を受けていただいた場合、

うつ病が治るだけでなく、ワーキングメモリの機能が回復するため、

一気に得点がアップするというのは、日常茶飯事です。

 

心身ともに健康な受験生であっても、一定の効果が期待できます。

 

 


磁気刺激治療(受験うつ)早期合格コー

 

磁気刺激治療 + カウンセリング = 志望校に合格

 

⇒ 磁気刺激治療(受験うつ)早期合格コー

 

(注:コロンビア大学の研究と磁気刺激治療が結びつくような印象を与えるため、不適切です。お詫びして訂正いたします)


以上、ホームページを修正させていただきました。

今回のことをしっかりと反省し、適切な表現でお伝えするよう精進いたします。

 

医学博士・心療内科医師

吉田たかよし


 【2018年】 本郷赤門前クリニックの実績  🌸東京大学、理科Ⅰ類(2人)、理科Ⅱ類、文科Ⅰ類、文科Ⅲ類、合格!!🌸京都大学、理学部、工学部、合格!🌸🌸🌸 🌸早稲田大学、基幹理工学部、商学部、合格!🌸🌸🌸 🌸慶応大学、理工学部、総合政策学部、合格!🌸🌸🌸 🌸医学部、東京都内、近畿地方など多数、合格!🌸🌸🌸 その他、歯学部、薬学部、マーチ、日東駒専、短大に多数、合格!