復習法チェックカルテ
・翌日、あるいは翌々日に復習するのが良い。
・復習するまでに1週間以上が経過していると、復習の効率はかなり低下する。
・1か月が経過すると、ほとんど復習効果はなくなる。
・うろ覚えの段階で復習するのが、ベストタイミング。
・1回にじっくり時間をかけるより、短時間でいいので復習の回数を増やす。
・速いスピードでさっと目を通すだけでも、かなりの効果が上がる。
・思い出す努力をしてから目を通した方が、復習効果が大きい。
・思い出す苦しみは、記憶の神経回路を発達させるチャンス。
・思い出す苦しみを快感に変えれば、「スーパー受験生」へと変身できる。
・初回に勉強した時の状況を思い出しながら復習する。
・機械的に行うのではなく、新鮮な気持ちで復習する。
・新しい発見を探しながら復習する。
復習が大きな効果を持つことについては、専門家の間でも異論はありません。
古くは、ドイツの心理学者でヘルマン・エビングハウスが、復習の持つ効果を科学的に実証しています。
彼は、被験者に関連のないアルファベットを3つ覚えさせて、時間とともにそれをどれくらい忘却していくか、ということを測定しました。これは「エビングハウスの忘却曲線」と呼ばれているものです。
この測定結果はなかなかショッキングなもので、1時間経過すると、56%も忘れてしまうのです。
ただ、24時間後になっても60%程度までしか数値は伸びませんから、忘却というのは、最初の1時間で急速に進む、というわけです。
このエビングハウスは、「復習」の効果についても、同様の実験を行いました。
それによると、前述のアルファベット3つを、数日後に復習した場合、今度は4時間経過しても25%しか忘れない、というのです。
これは明らかに、復習したことは忘れにくくなる、ということを示しています。
つまり、「記憶は繰り返しによって強化される」ということが、彼の実験によって証明されたわけです。
エビングハウスの実験から読み取れるのは、一度覚えたことが「うろ覚え」になった段階で復習すると、記憶に残る効果が高いということです。
完全に忘れてしまった頃に復習しても、それは「復習」というより、むしろ単なる「2回目の学習」になってしまう。
ただし、ほぼ完璧に覚えている状態で復習しても、それでは時間がもったいない。
そのどちらでもなく、頭のどこかに記憶が残っていて、言われたら「あ、そうそう」と思い出せるくらい、つまり「うろ覚え」の段階こそが、復習のベストタイミングだといえます。
受験生なら誰もが実感していると思いますが、「うろ覚え」の段階で思い出すのは、とても辛い作業です。
脳が疲れて、イライラしてしまいます。
でも、これは脳が働いている証拠です。
記憶を定着させる「産みの苦しみ」なのです。ほとんどの受験生は、無意識のうちに、この苦しみから逃げようとします。
これが、復習がおろそかになってしまう、もう一つの理由です。
しかし、この苦しみから逃げていては、いつまでたっても効率の良い受験勉強はできません。
ぜひ、記憶の産みの苦しみに真正面から立ち向かってください。
そうすると、やがて脳内にβエンドルフィンという脳内麻薬が分泌され、苦しみが快感に変わる瞬間があります。
そうなると、しめたもの。
あなたは、猛烈なスピードで記憶の神経回路を増やせる「スーパー受験生」へと変身できます。
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