受験生の「新五月病」

(Exam retreat neurosis)


(このページのまとめ)

・受験生の間で「新五月病」(Exam retreat neurosis)が増加しています!

・5月や6月になり、次の症状が2つ以上表れたら、「新五月病」かもしれません!

  ①ヤル気の低下、②ケアレスミス、③眠い、④不眠、⑤成績の急落、⑤記憶力低下

 

・放置すると、深刻な「受験うつ」に移行し、志望校に合格できなくなります!

・勉強法や休息のとり方を見直すことで、克服することができます!

 


五月病は、大学の新入生や、会社に就職した新社会人がなるものだと思っていませんか?

確かに以前は、こうしたケースが大半でした。

しかし、最近、これとは原因が異なる「新五月病」が増えており、注目を集めています。

 

残念ながら、受験生の多くは「新五月病」、あるいはその前段階の予備軍になっても自分では気づきません。

そのため、勉強の効率が低下し、せっかくの努力が成績のアップに結びついていないのです。

さらに、症状を放置していると、深刻な「受験うつ」に移行し、人生を棒に振ってしまう場合もあります。

 

そうならないよう、受験生に特有の「新五月病」とは、どんなものなのかを知っていただきたいと思います。

さらに、その対策について解説します。

 


受験生の新五月病(Exam retreat neurosis)とは?


以前からある五月病とは、新入生や新社会人が、大学や職場の新しい環境にうまく馴染めず、心が疲弊してしまって、不調に苦しむものです。

診察をすると、「適応障害」という病気になっているケースが多く見られます。

 

しかし、最近、注目を集めている「新五月病」は、5月や6月に増えるという点では共通していますが、従来の「五月病」とは異なるものです。

会社の場合は、新社会人ではない先輩の社員が陥るため、「新五月病」と呼ばれるようになりました。

 

受験生の場合も、高2から高3に進級しただけで、転校したわけではないのに、心身の不調や成績の不振に苦しみます。

この場合、診察すると「適応障害」ではなく、「受験うつ」、あるいはその前段階の予備軍であることが多いのです。

これが、受験生の新五月病(Exam retreat neurosis)なのです。

 

「Retreat neurosis」は、ハーバード大学のウォルターズ博士(R.H.Walters)が研究を行った「Apathy 」を元に提唱された概念で、副業には専念できるものの、本人に期待される社会的役割からは退却し、無気力や無関心に陥るものです。

学生が無気力になる「スチューデント・アパシー(Student Apathy )」という言葉は、耳にされたことがある方も多いと思います。

 


「新五月病」の症状


「新五月病」(Exam retreat neurosis)になると、以下のような症状が表れます。

 

・急に受験勉強のヤル気が出なくなる!

・勉強をしても、頭に記憶が残らない!

・ケアレスミスが急増して、簡単な問題も間違ってしまう!

・長い時間、眠っているはずなのに、日中、すごく眠い!

・夜になると、逆に眠れなくなる!

・以前は簡単に解けた問題が、なぜだか解けなくなる!

・受験自体をやめたくなる!

・模擬テストの成績が急落する!

 

これらの項目のうち、2つ以上が当てはまる場合は、「新五月病」に陥っている可能性があります。

注意してください。

 


「新五月病」の原因は4月にあった!


「新五月病」になってしまう原因は、4月にさかのぼります。

多くの受験生が4月になると、勉強のギアを1段階も2段階も上げます。

 

このこと自体は、合格を勝ち取るために必要不可欠です。

ただし、そのやり方が間違っている場合が多いのです。

その結果、努力の割には成績が上がらず、脳に過剰な負担がかかり、「新五月病」を発病してしまうのです。

 

人間の脳は、4月になると、日照量の増加を受け、セロトニンという脳内ホルモンの量が増加します。

それに伴って、受験に対して意欲が高まるのは良いことです。

しかし、それが上滑りしてしまうと、「新五月病」に移行してしまうので、注意が必要です。

 


6月も「新五月病」に注意!


「新五月病」は5月だけではなく、6月に入ってから発病する場合もあります。

脳は過剰なストレスを受けても、ある程度までなら、耐え抜くことができます。

これが「ストレス耐性」と呼ばれるものです。

 

4月に問題のある受験勉強を始めても、すぐに発病しないのは、ストレス耐性が機能しているからです。

しかし、これには限界があります。

その限界を超えてしまった結果、「新五月病」になるわけです。

 

5月にストレス耐性の限界を超える方が多いので、「新五月病」という名前がつきましたが、実際には、6月に超えてしまう場合も少なくなりません。

6月に調子が悪くなったから、「新五月病」ではないと、決めつけてはいけません。

 


「新五月病」の対処法!


「新五月病」になったら、放置せず、すみやかに以下の対処を行ってください。

放置していると、成績がますます悪化するだけでなく、深刻な「受験うつ」に移行し、取り返しのつかないことになりかねません。

 

・勉強の仕方や内容を見直す!

  脳機能に無理のある不適切な受験勉強をしている場合が大半です。

  ただちに受験勉強の中身を精査し、脳機能に合致した勉強の方法に改めてください。

 

・休憩のとり方を改善する!

  いかに短い時間で、効果的に脳を休ませられるかどうかで、受験の当落が決まります。

  ただ休めばいいというわけではなく、休み方の質が問われているのです。

  「受験ストレス判定アプリ(無料)」を使えば、適切な休み方ができているか科学的に判定できます。

 

以上を行っても改善できない場合、あるいは、症状が重い場合は、ご自分で対処しようとは考えず、受験生を専門に扱う心療内科や精神科を受診してください。