このページの要点は?
✓ 睡眠薬の使用で入試に落ちてしまう受験生が増加しています。
✓ 睡眠薬は、大脳全体の活動を低下させるタイプと、自然な眠りを強めるタイプと2種類があり、それぞれが受験にどのような弊害をもたらすのか、熟知しておく必要があります。
✓ 大脳全体の活動を低下させる睡眠薬は、海馬の活動を抑制することで、記憶力を低下させるため、せっかく勉強しても学力を上がることが困難になります。。
✓ 自然な眠りを強めるメラトニン受容体作動薬は、翌日の受験勉強を妨げ、特に数学や英語の学習に悪影響を与えます。
✓ 睡眠薬は医学的には「姑息療法」と呼ばれ、受験生の脳の問題を根本的に解決することはできないということを理解しておきましょう。
✓ 睡眠のトラブルを抱えた受験生は、脳の抱える問題点を可視化する検査を受けることで睡眠薬に頼らない脳に変えることができ、これによって第一志望の合格につながります。
東京大学本郷キャンパス赤門正面
本郷赤門前クリニック
睡眠薬を全面的に否定するつもりはありませんが、受験生の場合、睡眠薬に頼り切るのは危険です。
実際、私の心療内科クリニックには、睡眠薬を不適切に使用したために、入試に落ちてしまった受験生が、毎年、3月には大勢いらっしゃいます。
のちほど詳しく説明しますが、睡眠薬には、それぞれの種類ごとに脳への副作用があり、使用方法を間違ってしまうと、入試の結果に深刻な悪影響を与えてしまいます。
第一志望の合格通知を勝ち取るには、まず、正しい知識を持ち、その上で適切な対処を行うことが不可欠です。
東京大学本郷キャンパス赤門正面
本郷赤門前クリニック
いろんな睡眠薬がありますが、今、日本で使われている睡眠薬は、大きく分けると2種類に分類できます。
1つ目は、脳の活動を低下させて、ボーっとしてくることで、眠くなるもの。
現在はこちらが主流で、受験生も、このタイプを服用している人が圧倒的に多いんです。
具体的には、ベンゾジアゼピン系と、非ベンゾ系がありますね。
東京大学本郷キャンパス赤門正面
本郷赤門前クリニック
もう一つのタイプは、比較的、最近に開発された自然な眠気を強くする睡眠薬です。
こちらは、脳の中で睡眠に関する部分だけにピンポイントで効いてくれます。
ただ、まだ使用する人は少ないんですが、
具体的には、メラトニン受容体作動薬とオレキシン受容体拮抗薬があるんです。
脳にとって、どっちの睡眠薬が、より問題があると思いますか?
どう考えても、脳の活動を抑えるタイプが問題だと思いますでしょ。
でも、こちらが主に使われているのが現状です。
東京大学本郷キャンパス赤門正面
本郷赤門前クリニック
脳の活動全体を低下させる睡眠薬は、体内でやっていることは、大まかに言うと、ただひとつなんです。
神経細胞の中にマイナスイオンを放り込むことだけなんですね。
神経細胞は電気的にプラスになると活性化するのですが、マイナスイオンだらけだと、活性化しません。
だから、眠くなるんですね。
でも、睡眠薬は脳のかなりの領域に作用するので、脳の他の機能も妨げてしまいます。
中高年の方の場合だと、姿勢を保つこともできなくなって、ふらついて転ぶことなどが問題視されます。
夜中にお手洗いに行くときに、転んで大怪我をされる方もいます。
でも、受験生にとってそれよりはるかに困るのは、記憶力にも、かなり悪影響が出るということです。
記憶を作り出す海馬の神経細胞も、マイナスイオンが送り込まれますから、記憶力が低下するのは、医学的には当たり前のことです。
受験は、なんといっても記憶が物を言うので、これって、入試には致命的なダメージになりますよね。
東京大学本郷キャンパス赤門正面
本郷赤門前クリニック
そういう問題点を解決するために、自然な眠りを起こす睡眠薬が開発されたわけです。
でも、何故、それほど使われていないのかというと、効果が弱い。
脳を一網打尽におとなしくさせるのは簡単でも、ピンポイントで効果を出すのは難しい。
それから、効果が出るまでに日数がかかり、しかも効果に個人差も大きい。
正直に言って、医者としては、処方するのに、ちょっとためらうことがありますね。
患者さんに、「ヤブ医者だ」と思われないかなと、心配しちゃう。
患者さんの方から、自然な眠りになる薬を試してみたいと言ってもらったら、いいと思いますね。
東京大学本郷キャンパス赤門正面
本郷赤門前クリニック
そうとも言えないんですよ。
たとえば、メラトニン受容体作動薬は、寝ている途中や早朝で目が覚める人には、
大きな副作用もないし、長期に服用できる優れた睡眠薬ですね。
だから、中高年の人は、もっと積極的に使ったらいいですね。
こういうタイプの睡眠障害の方は、依存性の高いベンゾジアゼピン系の睡眠薬を使っている人が多いんですが、メラトニン受容体作動薬のほうがはるかにいいと思います。
でも、受験生のような若い世代では、このタイプの睡眠障害って、すごく少ないんですね。
しかも、メラトニン受容体作動薬を服用すると、翌日の勉強に悪影響が出てしまいます。
じっくり考えないと解けない数学の難問なんて、もう、サッパリ。
あと、英語や国語の長文も読めなくなってしまいます。
東京大学本郷キャンパス赤門正面
本郷赤門前クリニック
受験生の場合、そもそも、睡眠薬で対処するというのが大問題です。
睡眠薬って、根本的に治す「根治療法」ではないんです。
医学的には、「姑息療法」なんです。
姑息といっても、国語でも、ずるいという意味ではないですよ。
姑息っていうのは、一時的、その場しのぎというのが正しい意味です。
そもそも、睡眠薬は脳に負担をかけてしまうから、受験には望ましくないですね。
さらに、姑息療法で、根本的な脳の問題にフタをしてしまうことになる。
二重に問題ですね。
合格のためには、脳の抱える問題を、本質の部分から治す必要があります。
そのためにも、脳機能に特化した光トポグラフィー検査を受けていただきたいですね。
実際、この検査で脳にどのような問題が生じて睡眠障害が生じているのか明確になり、睡眠薬を使用せずに睡眠障害がなくなり、第一志望に合格したかたが、大勢います。
まずは、以下のページから、どんな検査なのか、知っていただきたいと思います。