✓ 英語や国語など、文章の読み取りが困難になった場合、「受験うつ」などの脳機能の低下が起きている危険があります。(Reading Comprehension Skills)
✓ 脳科学で「心の黒板」と呼ばれているワーキングメモリー(Working memory)の機能が脳内で悪化すると、文章を読み取って理解する能力が低下します。
✓ うつ症状により、脳内の扁桃体(Amygdala)が過剰に刺激を受けると、その悪影響でワーキングメモリーの機能が低下します。
✓ チェックポイントは、「スラスラと読めない」、「同じ部分を何度も読み返す」、「読むスピードが低下する」、「読み終えても内容が頭に残っていない」という症状です。
✓ 決して学力そのものが低下したわけではないので、ワーキングメモリーを回復させることで、再びスラスラと読み取れるようになります。
✓ ご自分お一人で、今すぐ簡単に実践できる対策を3つご紹介します!脳医学を活用することで、読解力の回復を図りましょう!
それまでスラスラ読めていた英語の文章が、急に読み取れなくなってしてしまう・・・。
もし、そんな症状が起きたら、受験うつを中心とした脳機能の障害が原因になっている可能性が高いので注意してください。
もちろん、英語だけでなく、現代文や古文漢文など、文章の読み取りが苦手になるというのは、国語で起こる場合もあります。
中には、問題文の文章量が多い化学や生物といった理系科目で生じることもあります。
私達は普段、意識することはありませんが、長い文章を読み取るとき、ワーキングメモリー(Working memory)など、脳の高度な機能を活用しています。
だから、受験うつなどで、脳の認知機能に障害が起こった場合、かなり初期から、長い文章の読み取りが困難になるという症状が現れるのです。
文章の読み取りが困難になると、当然、 模擬テストを受けた場合に、英語や国語の成績は急激に悪化してしまいます。
悪化した成績を見た受験生の多くは、学力が低下したためだと考えますが、これは脳科学的には間違いです。
英語や国語の実力は、勉強の長い蓄積によって築き上げられるもので、急に低下するものではありません。
実際、勉強によって蓄積した学力に関する情報は、ほとんどの場合、成績が急落した後も、脳の側頭葉などに保存されています。
にもかかわらず、成績が急激に悪化してしまう原因は、学力そのものにあるのではなく、ワーキングメモリー(Working memory)を中心にした読解のための脳機能の障害にあるのです。
急激な読解力の低下が起こった場合、原因となる脳機能の中で、最も可能性が高いのは、ワーキングメモリー(Working memory)です。
これは、脳科学では「心の黒板」と呼ばれ、まさしく教室の授業で使う黒板と同じように、脳内で情報を書いたり消したりしながら、文章の意味を読み取っています。
一方、受験うつを始め、うつ症状になった場合、脳の奥深くにある扁桃体(Amygdala)という部分が過剰に活動をします。
言ってみれば、扁桃体が暴走状態のような形になり、不安と不満を大きくするため、イライラが制御できなくなったりします。
この扁桃体の過剰な活動は、ワーキングメモリー(Working memory)の機能を強力に低下させる性質も持っています。
だから、うつ症状自体は軽症で気が付かない程度であっても、文章を読み取るのは困難になるわけです。
うつ症状が重くなった場合は、無気力になって勉強のやる気が起きなくなったり、不安やイライラで頭がいっぱいになるため、受験生自身も、なんだかおかしいと、自分で異変に気づくことができます。
ところが、うつ症状が軽い場合、自分で脳の異変に気づくというのは、極めて困難です。
そんなケースで、大いに役立てていただきたいのが、読解力の変化です。
読解力の低下は、うつ症状のごく初期から起こる上に、模擬テストの成績という形で、数値化された情報として手にすることも可能です。
模擬テストの偏差値が、いわば、脳機能の異変に気づくための健康診断の検査数値のような役割を果たしてくれるわけです。
ただし、模擬テストを受けなくても、自宅で勉強しているときに、以下のような兆候がないか注意すると、脳のワーキングメモリーの低下に気づけます。
①スラスラ読めなくてイライラする!
②同じ部分を何度も読み返してしまう!
③読み終えたときに内容が頭に残っていない!
④文章を読んでも上滑りしているような浅い読解しかできない!
以上に共通しているのは、文章がまったく読めないというわけではないものの、正常なスピードで内容を把握することができないということです。
ワーキングメモリーの機能が低下すると、文章の情報を認知するのに支障が出るためです。
上記のような読解力の低下が生じた場合、受験ストレスによる一時的な脳機能の低下が原因である場合は、誰でも簡単にできる以下の方法で、読解力を回復させることができます。
紙面から目を遠ざけると、目の中にある眼内筋という筋肉が緩み、一時的にストレスが軽減します。
また、視野が広がることにより、脳は無意識のうちに、一部分ではなく全体の意味を理解するモードに変わります。
さらに、背筋を伸ばすと、わずかではありますが、テストステロンというホルモンの分泌量が増え、脳が情報を処理できる量が増えるため、読解力もアップします。
内でできるようになります。
私たちは、普段、自覚していませんが、脳が健康な状態にあるときは、内容の重要度が低い部分は速いスピードで読み進め、内容が大切な部分に差し掛かると読むスピードを無意識のうちに遅くして、重点的に記憶に残しています。
ところが、脳に受験ストレスがたまると、文章を読むスピードが単調になり、重要度に応じた情報処理の濃淡をつけられなくなり、結果として、重要度の低い内容に埋もれてしまう形で、大切な内容が頭に残ってくれなくなります。
これを防ぐため、文章を読み勧めながら、大事なキーワードに出会ったら、その部分だけを二度読みしましょう。
こうして、受験ストレスがたまっていなかったときに近い情報処理が脳内でできるようになります。
受験ストレスがたまると、脳の大脳新皮質の領域が広範囲にわたって疲労します。
これが情報処理の遅れとなり、文章がスラスラ読めなくなる原因になります。
入学試験でも模擬テストでも、机に試験問題が配布されたあと、試験開始の瞬間まで、数分間、座りながら何もせずに待たなければなりません。
この間、これから試験に集中しなければならないというプレッシャーでストレスが高まり、大脳新皮質の疲労が高まります。
一方、大脳新皮質の70%は視覚情報の処理に関わっているため、目を閉じて視覚情報を遮断すると、休息を与えることで、機能の回復を図れます。
そこで、試験問題の配布が終わったら、試験開始の瞬間まで、目を閉じ、脳を休ませることで、よりよい脳のコンディションにしておいて課題文を読むと、読解力がアップします。
読解力に限らず、試験開始前に、「隣の受験生は頭が良さそうだな・・・」とか、「試験監督は怖そうな人だな・・・」とか、周囲を見るとプレッシャーを高めるだけです。
貴重なあなたの脳の機能は、問題を解くことだけに使いましょう!
脳のワーキングメモリーが低下した場合、受験期のうつ症状である「受験うつ」に移行している危険性があります。
このケースでは、とにかく早く治療を開始しないと、合格は勝ち取れず、一生を台無しにしてしまいます。
私のクリニックでは、最新の磁気刺激治療(Transcranial Magnetic Stimulation)を組み合わせた「受験うつ早期合格コース」を設けています。
志望校への合格のため、ぜひ、ご検討ください。
また、2020年10月より開始となった当院の「5つの特別診療」のうち、「⑤思考力アップ特別診療」ではワーキングメモリーの働きを高める専門の診療を行っています。
その大きな柱となるのが、このページで取り上げた読解力の完全なのです。
ぜひ、こちらを受診していただき、憧れの志望校への合格を勝ち取ってください!