脳科学の効果で受験のイライラが消える
計算インターバル勉強法
ストレス低減と高速学習を実現する集中力アップの秘訣
✓ 計算インターバル勉強法は、脳科学の研究結果に基づく効果的な学習方法です。
✓ 勉強に取り組む際に感じるイライラやストレスは、まるでドーナツのように脳内の神経ネットワークが電気的な刺激によってループ状態になっているからです。この問題を解決するために、計算問題を解くことでワーキングメモリーを適切に活用し、その結果、神経ネットワークのループを遮断することでイライラを和らげます。
✓ 計算問題を解くのは5分間程度行うと、イライラのループを断ち切る効果が出ます。計算インターバル勉強法は、通常の勉強をしているときにイライラしたら、計算問題を解く勉強をさしはさむことで、学習効率と集中力を高めるものです。
✓ インターバル勉強法のメリットは、勉強時間を減らすことなくイライラ対策ができることです。また、計算問題を解くことは受験勉強にも直接的に役立つため、二重の効果が期待できます。
✓ ただし、この方法は軽度の受験ストレスに対して有効ですが、「受験うつ」などの重度のストレス状態には対応できません。このため「受験うつ」になっているかどうか、計算インターバル勉強法を実践すれば、効果の有無で自己診断が可能です。効果がなければ、医師など専門家に適切な支援を求めることが重要です。
✓ このページでは、計算インターバル勉強法のやり方をわかりやすく解説します。受験勉強のイライラをなくし、あなたの学習効率を向上させることで、志望校への合格を勝ち取りましょう
東京大学本郷キャンパス赤門正面
本郷赤門前クリニック
ストレスマネジメントと脳科学
計算インターバル勉強法がイライラを止める仕組み
受験は不確実性が高く、その結果、受験生は大きな不安を感じることが多いものです。
この不安は多くの受験生の深層心理に存在し、それがイライラという形で表面化します。
イライラした心理状態では、脳の扁桃体が過剰に活動しているため、その影響で論理的思考力を生み出す脳の前頭前野の機能が低下し、結果として学習効率が大幅なダウンにつながります。
休憩をとることで気分転換をすることが有効な場合もありますが、受験生の忙しいスケジュールではなかなか難しいのが現実かもしれません。
そのため、「学習時間を減らさずに、イライラを軽減する方法があったらいいな…」と思っている受験生は多いはずです。
この要求に応えるのが、脳科学に基づく計算インターバル勉強法です。
計算問題を解くことで、イライラ状態の脳をリセットし、ストレスを和らげる効果があります。
しかし、全ての計算問題が効果的というわけではありません。
結論を先に言えば、現在の学力に見合った、少し易しいレベルの計算問題がイライラを抑えるのに最適です。
計算が脳に良いというと、一桁の計算を思い浮かべる人が多いでしょう。
確かに、高齢者の認知症対策に一桁の計算が効果的だというのは、一昔前にブームになったことです。
しかし、そもそも若い受験生が認知症になることは、ほぼありません。
また、受験勉強にとっても、一桁の足し算のような単純すぎる問題を解くことに大きな意味はありません。
計算インターバル勉強法の効果を高めるには、現在の学力に照らして、やや簡単なレベルの問題を選ぶことが重要です。
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微分積分や三角関数の計算問題が脳と集中力に及ぼす効果
大学受験など、数学の問題を解く勉強が必要な受験生は、計算インターバル勉強法が特に効果を発揮します。
計算を行う問題について、どんな分野の問題なのかは問いません。
難易度の設定だけを考慮すればいいのです。
イライラを短時間に抑えるためには、解き方はわかるが、速度を上げると計算ミスが出るというレベルの問題が最も適しています。
では、計算問題を解くことが、どうしてイライラを消す効果があるのが、その理由を、簡単に説明しておきましょう。
計算問題を速く正確に解こうとすると、たとえストレスの高くイライラしている心理状態であっても、一時的に集中力を高める効果があります。
イライラしているとき、脳内の特定の神経細胞ネットワークで、電気的な刺激が連続的にぐるぐると循環し、それがストレスを引き起こします。
計算問題を解くことで、この神経細胞ネットワークの活動が一時的に中断され、イライラが解消されるのです。
この作用について、さらに深掘りして解説しましょう。
受験ストレスによるイライラが止まらない場合、脳の中では、同じ神経細胞のネットワークを、インパルスがいつまでもグルグルと回り続けるという現象が起きています。
神経細胞は、シナプスと呼ばれる部分で他の神経細胞と接続しており、電気的な刺激をバトンタッチしています。
ごく簡単にモデル化すると、
神経細胞Aが興奮 ⇒ 神経細胞Bが興奮 ⇒ 神経細胞Cが興奮 ⇒・・・
といった具合です。
ところが、これがループになっていると、
神経細胞Aが興奮 ⇒ 神経細胞Bが興奮 ⇒ 神経細胞Cが興奮 ⇒ 神経細胞Aが興奮 ⇒ 神経細胞Bが興奮 ⇒ 神経細胞Cが興奮 ⇒・・・
このように、神経細胞のネットワークがあたかもドーナツのようにループしていて、これによってイライラが止まらなくなってしまうのです。
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このイライラのループを遮断するのに、最も効果的な勉強法が、少し簡単な計算問題を早く解くことです。
難しすぎる問題や複雑な問題を解く場合は、脳がどんな情報処理をすればいいのか迷ってしまうので、イライラした感情を生み出します。
しかし、少し簡単なレベルだと、脳はどんな情報処理を行えばいいのかわかっているので、短い時間であれば、イライラを増幅させる効果はありません。
逆に、脳の中でワーキングメモリーと呼ばれる機能は、計算ドリルを解くことに集中するので、イライラのループを回すことが、物理的にできなくなります。
言い換えると、脳の構造上、イライラし続けることが、そもそも、できなくなるわけです。
だから、イライラは、少なくとも計算に集中しているその瞬間には、かなり強力に抑えられるわけです。
このように、イライラを抑える効果を高めるには、意識のフォーカスを、目の前の作業に固定することが必要です。
あれこれと、自由に物事を考えていると、「成績がどうなるか不安だ・・・」、「受験が失敗したらどうしよう・・・」など、ついついネガティブなことを考えてしまい、イライラが逆に強まってしまいます。
これは、脳内のワーキングメモリーに余裕が生じるため、ワーキングメモリーをネガティブなことを考えることに費やすからです。
だから、目の前の勉強にワーキングメモリーの機能を集中させれば、どんな勉強でもイライラを抑える効果が出ます。
ただ様々なタイプの受験勉強の中で、脳科学的に、最も意識のフォーカスを固定しやすいのが、少し簡単な計算問題を解くということなのです。
さらに、ご自分でも、より意識的に、目の前の計算問題を解くことに集中しようと心掛ければ、イライラを抑える効果が、さらにパワーアップしてくれます。
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一方、計算ドリルの対局にある勉強が、難解な応用問題に挑戦することです。
もちろん、最近の入試では、応用問題が重視されており、こちらも、しっかり勉強しておきたいものです。
ただし、受験ストレスでイライラしているときだけは、こうしたタイプの勉強は避けたほうが良いのです。
応用問題は、ワーキングメモリーを自分の意志で、上手に使いこなさなければ解けません。
しかし、イライラしていると、意志が弱っているので、ワーキングメモリーをネガティブなことを考えることに振り向けられてしまいます。
そうすると、イライラが強まるとともに、もう一つ、受験生にとって、怖い現象が起こります。
それは、応用問題を解こうとしたらイライラするという学習をしてしまい、脳内でイライラしてしまう条件反射が起きてしまうのです。
これでは、長い目で見たら、努力して学力を下げているという、とっても無駄なことをしていることになるわけです。
もちろん、気持ちよく応用問題が解けているのなら、ドンドンやったらいいですが、イライラしたときに無理にやろうとするのは、とても危険な行為です。
計算ドリルを行う理想的な時間は、5分です。
なぜかというと、脳の機能上、集中してもストレスが生じないのが5分間だからです。
といっても、現実問題として、簡単な問題だといっても、必ずしも5分で解ききれるわけではありません。
5分で解ききるのを目指しながらも、もちろん、それ以上、時間がかかっても結構です。
ただし、イライラしているときは、できる限り、15分以内には抑えていただきたいです。
なぜなら、脳内でイライラした感情を作り上げている扁桃体が過剰に刺激を受けている場合、集中できるのは、おおよそ15分以内だからです。
また、それ以上やり続けると、脳疲労が蓄積し、逆効果となってイライラが増すことが多いのです。
さらに、長い間、問題を解こうとすると、脳は、無意識のうちに、意識のフォーカスを緩め、ワーキングメモリーを総動員しなくなります。
その結果、イライラのループが回る余地を作ってしまうのです。
逆に、できるだけ短い時間、思いっきり集中してドリルを解くようにすると、イライラのループは確実に遮断されます。
こうしてイライラが消えてくれたら、普通の勉強をしていただいて結構です。
そして、また、イライラしてきたら、理想は5分、最大限15分で、計算ドリルを解くようにするのです。
この繰り返すことで、受験ストレスによるイライラを乗り越えていきましょう。
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受験ストレスによる一時的なイライラであるの場合は、計算インターバル勉強法を行うだけで、かなりの方が回復しています。
ただし、治療の必要な「受験うつ」、あるいはその一歩手前の状態に至っている場合は、これだけでは、解決しません。
「なんだ!受験うつには効果がないんだ」とガッカリされた受験生もいるかもしれませんが、受験を専門に診療している心療内科医の立場から見れば、これはとても望ましいことです。
「受験うつ」の場合は、治療と並行して受験勉強を続けることは可能になる場合が多いのですが、適切な治療を受けずに無理に頑張るというのは、脳にとってとても危険です。
また、専門の診断を受ける機会を逃すと、受験うつが遷延化し、結局は浪人を繰り返すことになりかねません。
だからこそ、計算インターバル勉強を試してみて、効けばそれでいいわけですが、効かなかった場合に「受験うつ」の危険性を自覚できるというのは、とても意義深いことです。
長い目で見れば、そこで適切な治療を受けて、結局は志望校に合格できるというターニングポイントになります。
また、短期間のうちに大きな効果を上げたい方も、メンタル医学と脳科学を応用した専門の治療が必要です。
ぜひ、最新脳医学治療(受験うつ)早期合格コースを受けていただくことを強くおすすめします。
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