【このページの要点!】
①得意科目と苦手科目では、勉強する場合に脳の働き方が根本的に異なることがわかってきました。
②得意科目を勉強する場合は、脳内で「没頭」と呼ばれる現象が起きるため、まとめて長時間、勉強したほうが効率がアップします。
③苦手科目を勉強する場合は、脳の前頭前野を過酷に使うため、15分程度しか高い集中力を維持できません。
④異なる脳の領域を使う科目でローテーションを組むと、脳にとって理想的な勉強ができます。
誰だって、嫌いな科目や苦手な科目はありますよね。
私は、大学入試のときに、社会科が大嫌いでした。
また、国家公務員上級経済職試験に上位で合格するには、経済史はもちろん、日本史・世界史・地理・文学史・美術史も落とせません。
理系から他学部参戦した私にとっては、これはキツかった・・・。
でも、このとき、私が苦肉の策で編み出した苦手科目の勉強法が、実は、脳科学的にも、まったく正しいと言うことがわかったんです。
それをご紹介します!
よく、嫌いな科目についても、「好きになりなさい!」って叱る親がいるけど、これって、無理な話ですよね。
私は、そんなことは、早々にあきらめました。
それで、仕方なくやるようになったのが、「15分勉強法」
嫌な勉強は、1科目15分しかやらないという、とってもシンプルな勉強法です。
嫌々やる勉強の場合、効率が上がるのが、せいぜい15分だったので、当時は結果としてそうなっただけなのです。
でも、結果的に、文学史以外は、ほぼ満点をとることができました。
なぜ、うまく行ったのか?
それは、人間の脳機能の仕組みにピッタリあっていたからです。
実は、好きな科目と嫌いな科目では、脳の働き方が根本的に異なるということがわかってきました。
好きな科目だと、脳では「没頭」と呼ばれる現象が起きます。
この場合、脳は高い機能を長時間にわたって維持できます。
あなたも、好きなことに熱中して、時の流れを忘れてしまったことがあるはずです。
だから、得意科目については、むしろ、長時間、まとめて勉強したほうが効率的なんです。
でも、嫌いな科目を勉強する場合は、脳の前頭前野という部分を過酷に使って、無理やり脳機能を働かせる必要があります。
だから、集中力を維持するには、15分位が限界なんですね。
もちろん、1日15分だけの勉強では足りません。
だから、いろんな科目や分野をローテーションで、回していくんです。
脳科学的に言うと、理想のローテーションは、できるだけ脳の異なる部分を使う勉強をつなげていくことです。
たとえば、
英単語15分⇒数学15分⇒日本史15分⇒化学15分⇒英語15分⇒数学15分⇒⇒⇒・・・
これだと、文系脳⇒理系脳⇒文系脳・・・になっているので、脳に疲労が溜まりにくいんです。
でも、本当のことをいうと、脳の働き方は、一人ひとり異なります。
だから、ご自分の認知機能の特徴を正確に測定して、それにピッタリあった勉強方法を確立するのが理想的です。
私のクリニックでは、認知機能の検査と受験に特化した光トポグラフィー検査を組み合わせて、脳の特徴にピッタリ合致した勉強の方法をデザインしています。